よく晴れた日曜、渋谷で開催された「第2回・ブルームーン日本選手権」に参加してきました。
ブルームーンとは
2人用の対戦カードゲームです。
ブルームーンシティというファンタジー世界が舞台で、シティに住む9つの種族(大会で使うのはうち8つ)から1つずつ選び、固有のカード(山札)を使って対戦します。
各種族の山札には30枚のカードがあり、キャラクターカードと補助カードが強いものから弱いものまで色々入っていて、それを交互に出し合って強さ比べをします。
少しずつ相手の強さを上回るキャラクターを戦わせていき、相手を戦えない状態にして撤退させればアドバンテージを1本得られます。逆に撤退されられると、アドバンテージが1本消えます。綱引きのような感じですね。
それを何戦も繰り返して、合計4本のアドバンテージを先に取った方が、戦いに勝利します。
簡単にいうとそういうゲームです。
昔スーパーファミコンで流行った「ストリートファイターII」という格闘ゲームのような感じで、お気に入りの種族を選んで戦うところに面白みがあります。
カードにはそれぞれ特殊能力なども付いているため、最初はやや複雑で取っ付きにくいゲームですが、慣れるとハマります。
半年ほど前から、よく遊ぶゲーム仲間のあいだでブルームーンが流行り始めまして、5人も6人も次々買っては対戦するようになったんですね。そんなときに大会のあるのを知り、じゃあせっかくだから出てやるぜ! ということで、2週間前に私と妻と友人のひとりが急遽出場を決めた、というわけです。
ということで、会場に行ってみた
10時半に到着する直前、ホビージャパン(主催企業)のTwitterで「受付 10:00〜10:30」とあるのを見て、あれ11時までじゃなかったっけ? と焦りつつ、急いで妻と2人で会場へ。
渋谷のシダックスホール。「ホリスティックセルフケアマスター」ってなんだろう…。
なんとか10時半ちょうどに到着し、先に到着していた伊東さん(友人)と雑談しつつ、受付を済ませます。
受付の方「今日7人も参加しますよ」
私「本当ですか! 去年の倍も。すごい」
受付の方「大会らしくなって良かった」
去年は3人だったそうな。
この受付の方はけがわさんといって、そのまま大会のジャッジもしてくれました。
外国語版が15年前に出たころからプレイしてて、250戦はやってるんだとか。
この人と戦わなくてよかった…。
受付。この地味さがゲームのマイナーさを物語る。
その後、やっぱり受付は11時までが正解だったらしく、切りのいい参加数になるのを待ってるうちにぽつぽつと増え、最後には11人になりました。
いかん、最初は神7入りを狙ってたのに、俺はベスト10に入れるんだろうか。
不安が募ります。
とはいえ、今日初めてプレイする方もいるらしく、そんなにガチガチの厳しい大会にもならなさそうです。
うん、最初からビビっててもしょうがない。やろう。
いよいよ、時間が来ました。
そして予選開始
最初に、簡単な大会レギュレーションの説明があります。
試合は予選を4戦行い、そこで上位に入った4名が決勝トーナメントに進む方式です。
3勝が決勝進出の目安というところでしょうか。
説明を終え、組合せ抽選を行い、着席します。
選手権って、何度出ても独特の緊張感があります。
でも今日は世界選手権への切符とかあるわけでもなし、楽しくいきたいものです。
1回戦の相手は、なんと今日が初プレイというSさん。
経験ではこちらが少しは上回っているものの、ボードゲーム歴は長そうな方なので、油断してると絶対負ける。
勢いをつける意味でも、最初の1戦は勝ちたいところですね。
予選は、各テーブルで2種族がランダムに選ばれます。
選んだ2種族を互いに交換して2戦行い、合計の得点差で勝敗を決めます。
最初に選ばれたのは…「ミミックス」対「ピラー」。
<ミミックス>
女性戦士だけからなる、アマゾネスのような種族。キャラクターの基本攻撃力が高く、また同じタイプのキャラ2枚がうまく手札に揃えば同時攻撃もできるので、安定した強さが期待できる。その代わり特殊能力は少ない。
<ピラー>
蝶や芋虫を操る種族。ミミックスとは反対に、特殊能力や補助カードを駆使して戦う。キャラ単体では強くないが、補助カードで戦闘力を底上げしたり、芋虫パワーで相手の手札を捨てさせたりする搦手が得意。
ちょうど対照的な種族の対決になりました。面白くなりそうです。
こちらはミミックスを持ちました。幸いにも最初の手札で同系キャラ2枚が揃って来たので、これでうまくいなすことをまず考えましょう。
試合開始!
「大地3」
「ブースター『地動の薬』を使って、大地6」
基本的な流れは上のように、キャラクターを1枚(+補助カード)を交互に出して、相手と同じか上回る攻撃値を宣言していきます。攻撃値には「炎」「大地」の2種類があり、戦いを始める側が好きなほうに決めます。
炎/大地の一方が強いカードもあればバランス型もあり、6枚しかない手札からどう出していくかがポイントです。ブースターというのは補助カードの一種です。
「このキャラ2枚をペアで出して、大地7」
「撤退します」
「純炎の乙女」「浄土の乙女」のペアがハマって、まず1本のアドバンテージをとりました。
Sさんのピラーも、序盤から攻撃値を底上げするブースター「〜の薬」を連発してきて、五分五分の戦いを強いられます。
お互いアドバンテージを取ったり取られたりの展開がしばらく続きました。
しかし、相手は前半で強力なブースターを連発しています。つまり、後半は間違いなく息切れすると読みました。
果たして読みは当たり、後半向こうの手が苦しくなったところを一気に押し切ることに成功しました。
アドバンテージ4本を取って、4-0で先勝。
次は種族デッキ(山札)を交換し、もう一度戦います。
ピラーでミミックスを相手にするのはおそらく苦しいので、負けてもいいのでなるべくドローで終わらせ、得失点差で勝つ作戦です。
「イモムシ。炎3以上のカードを捨てるか、撤退してください」
勝負どころでこういうカードを織り交ぜて、相手に撤退を促します。といってもミミックスは数値の高いカードが多いので、これも結構簡単に受け流されたりするのですが。
というわけでこちらの攻撃は当たったり当たらなかったりでしたが、それでもほぼ僅差で推移し、結果は0-1の負け。
2戦の合計点は4-1なので、堂々の勝利です。
やりました!
さすがに相手の方は初めてだったため、フリーアイコン(枚数制限度外視で出せるカードの種類)の使い方等で若干戸惑っていたらしく、その経験差が出てしまったところはありました。
それでも、1勝1敗で良い戦いになったと思います。
レジェンドとの戦い
第2戦からは、スイスドロー方式で勝った人同士・負けた人同士の対決になります。
私の相手はキノさん。
審判のけがわさんとよくブルームーンを遊んでいるらしく、ということはこの人も200戦以上はしてるわけで、強敵です。
開会前に伊東さんが「まさにブルームーン・レジェンドですね」と言ってたのが記憶に新しい。実際、伊東さんは初戦でこのキノさんと当たり、僅差で負けています。
しかし勝負はやってみないと分かりません。頑張ります。
種族は「フリット」対「ピラー」。
<フリット>
鳥人の種族。一度出撃したキャラを次の手番で手札に戻して再出撃させることが可能で、持久戦を狙える。キャラ自体は貧弱だが、ペアで使えるブースターが非常に多いので、うまく戦力を微調整するのがポイント。
自分が一番好きでかつ得意なのが、このフリットです。
ピラーだと互角の戦いになると思われますが、先にフリットを持つ方の一戦ではなるべく勝っておきたいものです。
試合が始まってみると、ペアのブースターがなかなか来ないのですが、
キノさん「ブースターを付けて、炎6」
私「こちらもブースターを付けて、炎7」
という具合に、1枚ブースターで頑張って、キノさんの攻撃をじわじわ跳ね返します。
前半はほぼ互角。
そして相手が苦戦している間に、リーダーシップカード(手番の最初に出して、戦闘とは別枠で特殊効果が発動する)を使って
「『ドラゴン欺瞞』。手札からキャラ3枚捨てて、ドラゴン(アドバンテージのマーカー)を1匹引き寄せます」
でアドバンテージを取り、終盤で引き戻されそうなところでは
「『ドラゴン錯乱』。あなたはドラゴンを1匹しか引き寄せられません。撤退」
で守りきり、3-0で押し切りました。
正直、運に助けられた勝ちでしたが、この点差は大きい。
交代し、ピラーを持って2戦目。
前半、相手のフリットにあまりブースターが来ていないらしく、ピラーの薬でしのいでいきます。
今回もほぼ互角です。
なんとか得失点差で逃げ切れるか、微妙なところだと思っていましたが、終盤に転機が。
キノさん「炎4」
私「リーダーシップ『蝶配備』。手札を公開してください」
これで相手のカードを見たら、なんと、全てブースターカード!
相手が出しているのは「レイザーフェザー中佐」という敵軍最強の戦力で、このキャラを戻してブースター攻撃されたら、終わります。
ということは…少し考えます。いや、ここでやることは一つしかない。
私「撤退」
これで相手のレイザーフェザーを消して、直ちに
私「炎3」
キノさん「撤退」
つまり、攻撃には必ずキャラが必要なのに、相手はブースターカードしか持っていないので、反撃ができないのです。
こちらにアドバンテージが渡っているので、優位を保ったまま試合終了に持ち込んで、2-0。
なんと、ピラーでも勝ちました。
予想外の引きにも助けられ、5-0でレジェンドに会心の勝利です。
よっしゃ2連勝!
ここで昼食休憩し、予選は後半へと続きます。