トリックテイキングを遊ぼう(1) - ゲームの流れ




トリックテイキングとは、カードゲームの1ジャンルです。

簡単にいうと、毎手番に全員がカードを1枚ずつ出して
その強弱で勝敗を決める、という仕組みのゲームです。
手軽に楽しめながら、深い戦略や駆け引きがあります。

トランプやタロット、ドミノを使い遊べるものが主流ですが、
近年はオリジナルのカードを使うものもあります。
特にトランプを使ったものは多く、トランプゲームの約6割を占めており
数百年前から存在するゲームから、近年作られたゲームまで、
優に100種類を超えるトリックテイキングゲームが存在します。

一説にはトリックテイキングだけでも一生遊べると言われているとかいないとか。まあ今のは私が適当に考えたんですが、そう的外れでもないでしょう。

基本はシンプルなゲームなんですが、ただ、ゲームの進行が若干なじみがなく、
独特の用語も多いので、ちょっと取っ付きが悪いところがあるんですね。

しかし、それで遊ばないのは、あまりにもったいない。

そこで、トリックテイキングゲームのルールをご紹介したいと思いまして、
何回かに分けて、ゲームの流れや用語をくわしく説明してみます。
また、トランプで遊べる簡単なトリックテイキングも、あわせてご紹介します。
これを読めば遊べる! といいなあ…。

今回はまず、ゲームの基本的な流れをご紹介します。

その前に - カードの用語

この項では主にトランプを例に説明しますが、トランプを含むカードでは
一般的に次の用語を使います。

「スート」 … いわゆるマーク。カードのグループを表しています。トランプのスートはスペード、ハート、ダイヤ、クラブの4種類です。

「ランク」 … いわゆる数字。カードの強弱を表しています。トランプのランクはA、K、Q、J、10〜2の13種類で、通常は、Aが一番強く、次にK、Q、J、10、9、…、2の順番です。
(数字だけでなく、AKQJのような記号も含むため、このような呼び名があります)

これだけ覚えておいていただいて、本題に入りましょう。

トリックとは

まずは、基本的なゲームの流れです。

手札から、1人ずつ順番に、カードを1枚出します
一巡すると、人数分の枚数のカードが場に出されますね。
この一巡のことを「トリック」と呼びます。

トリックテイキングでは、ほとんどの場合、1枚必ず場に出さなければなりません

最初に出すカードは「リード」と呼びます。
リードは、通常、何を出してもかまいません。
(「ハーツ」など、リードに制限があるゲームもあります)

2番手以降のカードですが、多くのトリックテイキングでは
リードのカードと同じスートを持っていれば、それを出さないといけません。
たとえば、リードがスペードの5であれば、
スペードが手札にある限り、必ずスペードを出す必要があります。

これを、最初のスートを追いかける(フォロー)義務がある(マスト)ことから
「マストフォロー」と呼びます。

もちろん、リードのスートを持っていなければ、何を出してもかまいません。

トリックの勝敗

こうして、1枚ずつカードを出します。
出したカードは、見やすいように各プレイヤーの前に出しておくといいでしょう。

人数分出されたカードで、トリックの勝敗を決めます。

通常はリードされたスートと同じスートで、一番強いカードを出した人がそのトリックに勝ちます。
トランプの場合、強いカードはゲームにより異なりますが
多くの場合はAが最強で、次にK、Q、J、10…と下がり、2が最弱になっています。

注意すべきは、リードでないスートを出したら必ずそのトリックには負けることです。
例えばリードがスペードの10で、スペードの7、ハートのA、スペードのJ、と出ていれば
Aのほうがランクは上ですが、スペードのJ(リードスートの中で最強)が
トリックに勝ちます。

こうしてトリックに勝つことを「トリック(trick)を取る(take)」といい、
ここから「トリックテイキング(trick-taking)」の名称があります。

トリックを取ったとき、勝敗がわかりやすいように
取ったトリックのカードを、1束にまとめて裏向きにし、手元に置いておくこともあります。
また、ルールで受け取ることが決まっているゲームや、
出したカードを各自の手元に戻すゲームもあります。

次のトリックは、さっきトリックを取った人が次のリードをして始めます。


こうして、手札を全部出すまで勝負を続けます。
全員に同じ枚数を配って、1枚ずつ出していくので
手札の枚数は必ず最後まで全員同じになり、同時に手札を使い切ります。
配った手札を使い切るまでの一区切りを「ディール」と呼びます。

そのディールの結果で、勝敗が決まります。
多くのゲームでは、さらに人数分のディールを行って、ゲーム全体の勝敗を決めます。

ゲームの目的

で、ディールの勝敗(つまりゲームの目的)なんですが、これはもう色々あります。

一番わかりやすいのは「トリックを一番多く取ったら、そのディールに勝つ」というもの。
しかし他にも、

・取ったトリックのカードがもらえる。特定のカードに得点があり、それを集めたら勝ち。
・取ったトリックのカードがもらえるが、特定のカードが失点となり、それを集めたら負け。
・ディールの前に自分が取りたいトリック数を宣言し、宣言通り取ると高得点がもらえる。
・途中のトリックに意味はなく、最後のトリックを取ったら勝ち(あるいは負け)。
・取ったトリック数に応じて、もらえる点数が変わる。

などなど、ゲームにより異なります。
中には「3人戦で2番目に多くトリックを取れば勝ち」なんて変わった条件もありますし、
いろんな条件を組み合わせたゲームだってあります。

せっかくですので、簡単なトリックテイキングをひとつご紹介します。

遊んでみよう − ブラックレディ

個人戦。3〜7人で遊べます。5人が一番面白く、4人でもよいです。
ジョーカーを除く52枚のトランプを使います。
Aが最強で、以下K、Q、J、10…と続き、2が最弱です。

リードは何を出してもよく、マストフォローです。
つまり、2番目以降の人はリードされたスートを持っていれば必ず出します。
持っていなければ、何を出してもかまいません。

このゲームの面白みは、得点計算です。
トリックに勝つと、そのトリックで出された全てのカードを手元に受け取ります。
(受け取ったカードは、手札とは別にします)
しかし、取ったカードのハート1枚がマイナス1点、スペードのQはなんとマイナス13点になってしまいます(他のカードは0点)。
つまり、トリックを取らないほうがいいゲームです。

手札は、最小枚数が余るように配ります。
5人なら10枚ずつで2枚余らせ、4人なら12枚ずつで4枚余らせます。
余ったカードは半分だけ表にします。最後のトリックを取った人が、この余ったカードも受け取れます。嬉しくありません。

手札が配られたら、トリックの開始前に、2枚選んで右隣に渡します。
2枚回したら、さらに1枚選んでもう一度右隣に渡します。
こうやって、トリックを取りそうな強いカードを相手に押しつけることで
手札を整えることができます。

人数分のディールを行い、失点の合計で勝敗を決めます。
簡単で面白いので、4〜5人集まったらお試しください。

プレイのお約束

最後に、トリックテイキング(と多くのトランプゲーム)での
手番の進め方や、カードの配り方をメモしておきます。

最初のディーラー(カードを配る人)は適当に決めます。じゃんけんなどでいいです。
ディーラーは、左隣から時計回りにカードを配ります。
普通は1枚ずつですが、ゲームによっては2枚ずつ、3枚ずつなどもあります。

最初のリードは、ディーラーの左隣から始めます。
その後、時計回りにカードを出していきます。
(ゲームによっては、たまに反時計回りのこともあります)

ディールが終了すると、時計回りにディーラーを交代して、
カードをすべて回収し、よく混ぜて、次のディールを行います。



ということで、トリックテイキングの基本の流れと、いくつかの用語についてお話ししました。
次回は、よく採用されるいくつかのルールをとりあげます。

<2014/10/28>

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