No.16 くだものあつめ / Fruit Picking

見た目は小粒で甘い、でも中身は案外辛い、頭脳派ゲーム。

作者jun1s
人数2-4人
プレイ回数・人数3回/2人、4人
時間30分
種別カードゲーム
ポイント【家族向け】
ゲーム難度(5段階)3
評価(10点満点)7



明日はいよいよ大阪ゲームマーケットですね!
ワクワクしますね! 私は行けませんけど!
注目作もいっぱいあるようで、楽しみですね! みんな爆発すればいいと思うよ!

そんなゲームマーケットに行けない私が、今回満を持してご紹介するのが
こちら!
期待の同人ゲーム、「くだものあつめ」第2版!

部数が限られてるらしいので、みんな買えなくてぐぬぬってするといいよ!

ルール

■目的

5種類のくだものカードを買って、4種類いずれかの「セット」を先に作ることを目指します。

集めるセットは、次のいずれかです。

(1) バラエティセット
5種類のくだものを1枚ずつ集める。

(2) よくばりセット
どれでもよいので、1種類のくだものを4枚集める。

(3) ニコニコセット
3種類のくだものを2枚ずつ集める。

(4) ファミリーセット
1種類のくだものを3枚、もう1種類を2枚集める。

■準備

各プレイヤーは、5種類の「くだものカード」を1種類1枚ずつと
「おさるカード(2版では家カード)」「雨カード」1枚ずつを受け取ります。

これを全員、以下のように円形にして自分の手前に並べます。
・おさるカードを円の一番上に置く。
・くだものカードと雨カードはランダムに置く。ただし、全員同じ並びにする。

残った「くだものカード」はシャッフルして山札にします。
そこから4枚めくり、山札の隣に一列にして並べます。
これが「市場」になります。

カードを並べたら「たねコマ」18個を受け取ります。
おさるカードの右隣から3枚の上に、2個ずつたねコマを置き、
残りの12個はカード円の中央に置きます。
これで準備完了です。

■手番

まず、どれかのカードの上にあるたねコマを取って、
時計回りに続くカードに、1個ずつたねを蒔いていきます

いちごカードの上からたねコマ3個を取り、バナナ、ぶどう、雨カードの上に1個ずつ置いていきます。

こうしてたねを蒔いた後、次の2つのいずれかを行います。

(1) たねの補充
最後にたねを蒔いたカードの上に、カードに描かれたくだものの数だけ
中央からたねを補充します。

(2) 買い物
最後にたねを蒔いたカードと同じカードが市場にあれば
以下のコストを支払って、市場のカード4枚から1枚だけ買うことができます。

<コスト>
・最後にたねを蒔いたカード上のたねコマを、そのカードから取り除く。
・さらに、カードに描かれたくだものと同じ数のたねコマを、おさるカードから取り除く。
・さらに、市場の価格が1以上なら価格分のたねコマを、おさるカードから取り除く。

市場の価格は、山札から一番遠いカードが0で、近づくほど1ずつ増えます。
<山札><価格3><価格2><価格1><価格0>
となります。

おさるカードの上に必要なたねコマが載っていなければ、そのカードは買えません。
また、雨カードの上に止まった場合、買い物はできず
「たねの補充」のみ行えます。

買ったカードは、自分の手元に置いておきます。
カードを買ったら、残りのカードを右(山札と反対側)に詰め、
空いた左端のスペースに、山札から1枚補充します。

こうして、たねを補充するか、カードを買うかしたら手番終了です。

■おさるカードでたね蒔きを終えたら

さて、たねを蒔いたとき、最後に止まったのが「おさるカード」の場合
上記「たねの補充」「買い物」は行えません。
その代わり、手番をもう一度行います。


そうして、おさるカード以外でストップするまで、手番を続けます。

■ゲームの終了

誰かがセットを揃えたら、終了の合図です。
スタートプレイヤーの前の人まで、1回ずつ手番を行い、終了となります。

こうして、セットを作った人が勝ちです。
2人以上がセットを作っていたら、セットのくだものの個数が多いほうが勝ちです。
同点なら、カード上のたねコマが多いほうが勝ちです。

感想

私はこのゲームの初版を、前回の東京のゲームマーケットで買いました。
そのときの感想がこちらです。

初版で遊んだときは正直「そこそこのゲーム」という感想でした。
が、今回2版になってルールが若干変更され、改めて遊んだところ面白さがアップしていましたので、こうして紹介してみました。
なので、初版からの変更点を中心に感想を述べてみます。

まず、ゲームの目的が初版から大きく変わっています
初版では「何でもいいからカードを5枚集めたら勝ち」だったため、3コストの「いちご」にほとんど価値がなく、ほぼ取ったら負けのカードになっていました。それが特定のセットを作るように変更されたことで、狙うセットの種類によっては、いちごを集めることにも価値が出てきています。
実際遊んだとき、全員がいちごを狙いにいく場面もあり、デザイナーの意図通りに調整されているのがわかります。

もう一点大きな変更は「雨カード」の追加です。
初版ではこの部分が「ランダムにくだものカードを1枚取る」だったので、取ったくだものの種類によって有利不利が出ていました。当然、個数の少ない「ぶどう」「パイン」を取った人が有利になるため、初期配置で勝負の大勢が決する感がありました。
そこを全員同じスタートラインにして、特定のくだものへの偏りをなくしたことで、不公平感がなくなりました。補給専用のカードを設定することで、場にちょっとしたメリハリもついています。
個人的にはこちらのほうが重要な変更点だと思っており、雨カード一発で「ひたすら1コストで商品を買うゲーム」から脱却できています。
それにより、自分の考えが結果に反映している実感が強くなり、プレイ感も濃密になりました。評価を上向きに変更したのは、その分です。

手番では基本的に自分の場(畑)をひたすら回すゲームですが、市場のカードを誰がどこで取るかは結構駆け引きなので、プレイヤー同士の干渉は見た目よりも強いです。相手のほしいカードをいいタイミングでカットすることも、場合によっては重要になってきます。
それもあって、ただ低コストのくだものを買うだけ、というゲームにはなっていません。
実は第2版の前に「新版」として若干のルール改訂がありました(リリースは「初版」→「新版」→「第2版」の順)。その改訂ではセットが追加されていたものの、よくばりセット(同種4枚)とファミリーセット(3枚+2枚)が圧倒的に強いゲームでした。
が、上記のように全員の場札が同一になったことにより、狙い目のセットがかぶりやすくなったことで、どのセットもある程度均等に狙えるようになっています。

2版ルールでプレイした他の人の意見として「場のカードの並びはランダムでもいいのでは」という声がありましたが、若干運が強くなるため、好き好きでしょう。最初に通常ルールで遊んでみて、それから応用ルールとして試してみるのは悪くないと思います。

ともかく、そのとき2版ルールで遊んだ4人は全員「面白い」という感想でした。
私も、この第2版は佳作だと思います。同人ゲームとしてはとても良い出来で、手に取って、遊んでみる価値のある作品です。思考性が前面に出ているところは変わらず、むしろより思考ゲームの趣きが強くなっていますが、考えることの楽しさがアップしているので苦にはなりません。
2人でも面白いと思いますが、市場が活性化する3〜4人のほうがより楽しめるでしょう。ただし、4人プレイで全員本気で打つと、プレイ時間は30分以上はかかります。
ちなみに、初版でも上記のルールにして、雨カードと市場シートを公式サイトから印刷することで、2版と同じになります。

女性からは「箱やカードの絵が可愛い」という声もあり、良いパッケージングだと思います。カードや箱の紙質もしっかりしており扱いやすく、コンポーネントは市販ゲームと遜色ない品質です。2版では若干絵が変わるそうですが、それはそれでほしくなりますね。
ルールブックも含めた「見せ方」がこの作者は非常にうまく、ゲーム全体の質を底上げしています。

手軽に遊べる一品として、おすすめします。今回のゲームマーケット大阪でも販売部数はそれほど多くないとのことですが、ぜひ多くの方に触れてほしい一作です。

<2015/02/28>

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