No.15 ヘックメック / Heckmeck

ほほう、屋台でグリルが食べられる? え、虫なの?

作者Reiner Knizia
ライナー・クニツィア
人数2-7人(もう少し多くても可)
プレイ回数・人数5回/2人、8人
時間20-30分
種別ダイスゲーム
ポイント【初心者向け】
ゲーム難度(5段階)2
評価(10点満点)6



去年の9月のことなんで、ちょっと前になりますが
高円寺のゲームショップ「すごろくや」が店舗を変えて新装開店すると聞いて
さっそく行ってみました。

到着すると、入口付近にでかいテントが立ってます。

2階が店舗。

ちょっとのぞいてみると、中でゲームの実演をやっていたので
初心者のふりをしてもぐりこんでみました。
うん、バレてない。きっとバレてない。

ルール

■準備と目的

テーブルの中央に、虫タイルをすべて並べます。

最大が36、最小は21です。各タイルには1〜4匹の虫が描かれています。

タイルの上には数字、下には虫が描かれています。虫の数が得点で、上の数字はそのタイルを取るのに必要なサイコロの目の合計です。
ゲームの目的は、タイルの虫を一番多く集めることです。

■手番の流れ

自分の手番が来たら、持っているサイコロを一度にぜんぶ振ります(最初は8個)。

振りました。サイコロの目は「1、2、3、4、5、虫」の6種類です。

こんな感じで出た目のうち、1種類だけを手元に「確保」します。
5なら5の目全部、3なら3の目全部を取ります。「確保しない」ことや「2種類以上確保する」ことはできず、必ず1種類をすべて確保します。
確保したサイコロはその手番ではもう振りませんので、目が変わることもありません。

確保したら、
・残りのサイコロを再び振るか
・そこで止めてタイルを取るか
のいずれかを選択します。

再び振る場合、確保していないサイコロをすべて振り、出目の1種類をさきほどと同様に確保します。
ただし、それまでに確保した目は、もう確保できません
つまり、振れば振るほど、確保できる目の種類が減っていくわけです。
もし確保できる目がなければ、その手番で確保したサイコロはすべて無効になり、手番が終わります。

タイルを取りたい場合は、サイコロを振るのを止めます。
このとき、虫の目を1個以上確保していないと、止めることはできません(虫を確保するまでは、必ずサイコロを振ります)。

止めたら、それまでに確保した目の合計を数えます。虫の目は1つにつき5として数えます。
そして、それと同じ数字か、より小さい数字の書かれたタイルを、テーブルの中央から取ることができます。
取ったタイルの虫が自分の点数になります。

2枚以上取ったら、前のタイルの上に新しく取ったタイルを重ねてください。

タイルを取ったら手番終了です。
次の人はまたサイコロを8個振り、同様に繰り返していきます。

サイコロを振っては出目を確保し、好きなタイミングで止めてタイルを取る
これが手番の流れになります。
大きい数字のタイルほど虫も多く描かれており、なるべく大きい数字を狙いたいところですが
あまり欲張ると確保できなくなっていくので、どこで止めるかがポイントです。

■相手のタイルを取る

虫タイルを取るとき、テーブルの上からでなく、相手が取った虫を奪うこともできます。

ただし条件があり、
(1)サイコロの合計が、相手のタイルの数字とぴったり同じであること
(2)対象のタイルが、相手の取ったタイル山の一番上にあること
が必要です。

(1)は説明不要でしょう。出目の合計が26の場合、相手が持っている25や24のタイルは取れないということです。
(2)ですが、たとえ出目ぴったりのタイルを相手が持っていても、その上に別のタイルが乗っていたら、取ることができません
逆に言うと、自分が2枚目のタイルを1枚目の上に重ねたら、取られる可能性のあるのは2枚目だけで、1枚目のタイルがすぐに取られることはないということです。

こうして自分の虫をガードしたり、相手の虫を奪ったりできるのが、面白いところです。

■バーストと、ゲームの終了

サイコロを振ったら確保できる目がなく、何もタイルが取れなかった。
こういうケースを一般に「バースト」と呼びますが、
タイルを持っていてバーストした場合、さらに罰則があります。

まず、自分の持っている一番上のタイルを、テーブル中央に返却しなくてはなりません
次の手番でもう一度取り返すことはできますが、相手からも狙われやすくなってしまいます。

さらに、タイルを1枚返却したら、同時にテーブルの一番大きい数字タイルを裏返します

36から33までのタイルが、裏返されてしまいました。

裏返されたタイルは、もう誰も取ることができません。
つまり、ゲームが進んでいくほど、取れるタイルが徐々に減っていきます。

こうして、全てのタイルが誰かに取られるか、裏返されるかしたら、ゲーム終了です。
取ったタイルの虫を合計して、一番多い人が勝利します。

遊んでみた

すごろくやの特設テントに入りました。丸田店長と、お客さんが全部で8人ほどいます。

外から一枚。この大きなテントが、ゲーム中は人でいっぱいです。

ルールは知ってたので説明は端折ってもらって、早速プレイ。
ていうか考えてみたら、ルール知ってる時点で初心者じゃないことバレバレですよね。まあいいか。

序盤、まずは皆さん、22や23あたりの低いタイルを取っていきます。
そして自分の番。
シャカシャカシャカ、ぱらー

と、いきなり5が4つ!

次に振ったら、虫が3つ!

勢いでもう一回振って、3!

いきなり最大の36が取れた!!


…うん、なんていうか、初回にこんな目出すとか出来すぎで、逆に申し訳なくなります。
丸田店長も「こんなん初めて見た」って言ってて、
絶対今日の運はここで使い果たしてます。

この引きに周りの人も次々振って…ということはなく、
意外と皆さん堅実にタイルを確保していきます。
で、25あたりが取っては取られ、また取り返され、の繰り返し。

そして次の番。
また30ぐらい出るか!?

…と思いましたが、ここは低めで止まったので、無理せずに22をキープ。

すると左隣の2人が友達どうしらしく、
「誰を狙うかっていうと、ねえ」
「やっぱりねえ」
といいながらこちらを見ています。
ていうか、気づけばみんなこっち向いてるし。
やめろ! 俺は悪くない!

しかし数字はぴったりじゃないと横取りされないので、
微妙に低い22は標的にもしにくいようです。
一方、向かいの人がよく数字がかぶるらしく、狙い打ちにされてまだ1枚も取れていない様子。
チャーンス!
向こうで取り合いが激しくなっている間に、なるべく高い数字を狙って2枚目をガードしたいところ。
えやっ!

4を確保して、5がいっぱい欲しかったところですが、虫2つ。そう毎回うまくは行きません。

とはいえ、なんとか3枚目の24をゲット。
しかし!
一人で3枚持ってたらダントツで全員の標的になるわけで、
24を取られる!
さらに22も取られる!

気づけばすでに1枚しか残っていない、危うし!

しかし36のタイルだけはまず取られることはないので、
なんとかもう1枚取っておきたいところ。
この頃にはほとんどタイルも残っていないので、持ちこたえればいいのです。

そして次のターンが来ます。これがおそらくラスト手番でしょう。
最初に振って…4が3つ。
これをキープするか、あるいは低めを1個だけキープして引きを狙うか?
と悩んでいると、

向かいの女性「そんだけあるんだからどんどん振っちゃえばいいんですよ!」
「ですよね!! おりゃあー!!」シャカシャカシャカシャカ

ぱらー

よし26が出た! 当然隣から略奪してゲット!

そしてそのまま、次の人でタイルが切れて、終局。

なんとか虫6匹で、1位を死守しました。


うん。ずっと標的にされながら、そのまま勝った。今日の俺は、間違いなく輝いていた。

感想

2、3人の少人数でプレイするのが面白いという評も見かけますが、私は7〜8人の多人数で遊ぶほうが面白いと思いました。

多人数で遊ぶと、一人あたりのタイル数が多くても2〜3枚になって、場に多くのタイルがさらされた状態になります。
そうするとあちこちで奪い合いが起きるので、逆転が増え、ゲームが活性化します。
また、タイルがどんどん移動するので、自分の手番でなくても退屈しません。
待っている間は「早く次のサイコロが振りたい!」と思っているので、手番の間があまり気にならないんですね。実際、1手番の時間もそう長くありません。

タイルの奪い合いになると、同じタイルがあっちに行ったりこっちに行ったりするので、ゲームが終わりにくく(収束性が悪く)なりがちですが、体感としては多人数のほうが収束が良いです。多人数のほうが、次の自分の手番が来るまでにサイコロを振る回数が多いからだろうと思います。

これが少人数だとどうなるかというと、2人で3〜4回プレイしたのですが、同じタイルが自分→相手→自分→相手と動くばかりで一向に終わらない、ということが実際ありました。
こうなると、自分の手番がすぐにやってくるせいで、逆にうんざりしてくるわけです。

もうひとつ、少人数だと決定的にしんどい点があります。
手番でやることがただただサイコロ振るだけなので、同じ作業の繰り返しになってしまって、飽きが早いのです。
特にこのゲームの場合、目の価値が固定されていて「4、5、虫がいついかなるときも有利」であり、局面によっては1や2が有利といったことがありません。常に同じ目を狙うことが、なおさらこの作業感を強くします。
実は筆者はダイス(サイコロ)ゲームがあまり好みではないのですが、その最たる理由がこの「同じことをずっとやってる作業感」です。

別にサイコロだからといって、運だけの勝負だから嫌いというわけではありません。
ヘックメックの場合、どの目を確保するかというマネジメントの要素がありますし、何度もサイコロを振っていれば運は平均化されてきて、ある程度僅差での勝負になります。
むしろ、平均化されるからこそ余計に、局面によって勝負目が変わるという工夫(ごまかし)がほしいのですが、このゲームにそうした工夫はありません。ある意味、むき出しのサイコロゲームです。それだけに、作業感も一層強く感じられるのです。

多人数だと、勝負どころが揺れ動くことで、この作業感が大分軽減されます。それもあって、大勢でわいわいプレイするのをおすすめします。
好みの問題もあると思いますので、機会があれば多人数、少人数、両方試してみてください。
個人的には、多人数なら評価7で、少人数なら評価5、なので間をとって6というところです(4〜5人はやってないので分かりません)。

20分程度の軽いゲームで入手しやすいので、見かけたら遊んでみてください。初心者でも簡単に遊べて、勝負どころも分かりやすいです。
良くも悪くもシンプルで鋭く、ダイス(サイコロ)ゲームの精髄という感があります。この鋭さを好きになるかどうかは、人それぞれでしょう。私は、まずまずでした。

<2015/02/03>

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