No.25 アナーキー(ルール和訳) / Anarchy

全員同時に出して、好きな点数を得る

作者David Parlett
デヴィッド・パーレット
人数3〜5人(5人推奨)
プレイ回数・人数-
時間-
種別カードゲーム
ゲーム難度(5段階)3
評価(10点満点)-

 本記事は、デヴィッド・パーレットのトランプゲーム『アナーキー』のルール全訳です。原文は以下です。誤訳等ありましたらTwitterの筆者アカウントにご指摘ください。
 Anarchy: an original card game


 「アナーキー」は、トリックテイキングゲームの賑やかなパロディといってよいでしょう。全員が同時にプレイするのがポイントで、手番というつまらない時間の浪費であるプロセスを経ることはしません。言うまでもなくこのプロセスは、最初にプレイする人に不労所得を与えるという非民主的なものであり、階級社会のエリートのためのデカダンな趣味にのみ似つかわしいものです。
 「アナーキー」は、1977年の拙著『オリジナル・カード・ゲーム(Original Card Games)』にて最初に登場しました。その本のスペイン語訳が1991年に『Anarquia y otros Juegos Sociales』と題して出版されるという、少々変わった経緯によってこのゲームがアルゼンチンで流行しました。オリジナルのゲームの後に、より工夫されたバージョンの『アナーキストの爆弾』とその拡張『秩序立った混乱』も発表しました。関連するゲームとして他には、熱狂の度を抑えた、3〜7人用のラウンド式のゲーム『スナーク』もあります。

オリジナルバージョン − 4人または5人(5人推奨)

カード

52枚。各スートは強いほうから順にA K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2となります。

ディール

5人戦では各10枚ずつ配り、残りの2枚は裏を向けてわきによけます。4人の場合は13枚ずつ配り、以降の配らないカードについての記載は無視してください。

ビッド

各プレイヤーは手札を見て、トリックで獲得できそうなどのカードで得点したいかを宣言します。可能なビッドとその得点は以下のとおりです。

・スペード = 取ったスペード1枚につき2点
・クラブ = 取ったクラブ1枚につき2点
・ハート = 取ったハート1枚につき2点
・ダイヤ = 取ったダイヤ1枚につき2点
・ノースート = スートに関わらず、取ったカード1枚につき1点
・ミゼール = 取ったカードと10枚(4人時は13枚)との差1枚につき1点
ディーラーは、誰が何をビッドしたかを書いておきます。

プレイ

最初のトリックをプレイする直前に、ディーラーは配り残しのカードの1枚目を表に向けます(ターンアップカード)。そのスートの最も高いカードをプレイした人が、このターンアップカードを取ります(必ずしも最初のトリックとは限りません)。[訳注:最初にそのスートが出たトリックの中で、最も高いランクのカードを指すと思われます。]1枚目の配り残しが取られたら、ディーラーは2枚目を表に向け、同様に扱います。トリックは「同時に」プレイします。すなわち、各トリックでプレイヤーは好きなカードを手札から取ってテーブル上にて裏向きで持ち、一斉に表を向けます。カードは以下の方式に従って獲得されます。

・2人以上が同じスートをプレイしていれば、最も高いカードをプレイした人が同じスートの他のカードを獲得します。(ターンアップカードがある場合、それも含む)
・スートが一致しない残りのカードは、出した人がそのまま取ります。

したがって、トリックを取ると1枚から5枚のいずれかのカードが手に入ります。得点に関係するのはあくまで個々のカードですので、自分の取ったカードをトリックごとに分けておく必要はありません。
(例:省略)

得点

プレイが終わったら、獲得したカードを公開し、宣言したビッドに従って得点します。たとえば、終了時に獲得したカードがスペードのK-9-7-4、クラブのA-7、ハートのJ-8-3、ダイヤのQ-9-6-5-2の場合、得点は、ビッドがスペードなら8点、クラブなら4点、ハートなら6点、ダイヤなら10点、ノースートなら14点になります。ミゼールをビッドしているとマイナス点になりますが、このときは0点とします。

ゲーム

飽きるまで遊びましょう。

オプションルール

プレイヤーがビッドを同時に宣言し、互いのビッドに影響されないようにしてもよいでしょう。(2人以上が同じスートをビッドするとさらに楽しいことになります。) このビッドは、各プレイヤーが手札からビッドカードを1枚出して同時に公開することで行います。ノースートまたはミゼールをビッドするときは、カードを裏向けたまま、どちらのビッドであるかを宣言します。それからビッドカードを手札に戻し、最初のトリックをプレイします。

アナーキストの爆弾 − 3人から5人用の洗練されたバージョン

カード

3人または4人の場合は52枚のパック1個とジョーカーを使い、各スートは強いほうから順にA K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2となります。5人の場合は、裏面が同じもう1つのパックから6、7、8すべてを加えて65枚(およびジョーカー)とします。

[訳注:上記は原文どおりの訳ですが、記載のとおりに6、7、8のみを加えるとジョーカーを含めて65枚しかありません。5人戦で1人13枚を配るとちょうど65枚となるため、余り札を1枚作るためには66枚が必要です。余り札がないと以降のルールは成立しないため、5人戦での上記のカード構成または下記のルールには何らかの誤りがあります。訳者は、6のランクを追加せず山札を61枚とし、各プレイヤーの手札を12枚に、ビッドのオーバーとアンダーを12枚に、それぞれ読み替えることを提案します。]

ディール

手札は各プレイヤーに1枚ずつ計13枚配り、余った1枚は表を向けてわきによけます。3人の場合はスペアの手札を裏向きに山札として積みます(これはダミーとなります)。ジョーカーを配られた人はアナーキスト(無政府主義者)となり、ジョーカーは爆弾となります。(余ったカードがジョーカーの場合、ディーラーに配られた最後のカードと交換してください。)

ビッド

各プレイヤーは手札を見て、トリックで獲得できそうなどのカードで得点したいかを宣言します。可能なビッドとその得点は以下のとおりです。

・カード = スートに関わらず、取ったカード1枚につき1点
・ブラック = 取った黒のスート1枚につき2点
・レッド = 取ったレッドのスート1枚につき2点
・ベスト = 取った最も多いスート1枚につき3点
・スペード = 取ったスペード1枚につき4点
・クラブ = 取ったクラブ1枚につき4点
・ハート = 取ったハート1枚につき4点
・ダイヤ = 取ったダイヤ1枚につき4点
・オーバー = 取ったカードが13枚を超えたら、1枚差につき5点
・アンダー = 取ったカードが13枚を下回ったら、1枚差につき5点

プレイ

各トリックでプレイヤーは好きなカードを手札から取ってテーブル上にて裏向きで持ちます。全員が準備できたら、カードを一斉に公開します。3人プレイでは、ディーラーはダミーの一番上のカードを開いてトリックの4枚目のカードとします。それから、カードが以下の方式に従って獲得されます。

・2人以上が同じスートをプレイしていれば、最も高いカードをプレイした人が同じスートの他のカードをすべて獲得します。
・2人以上がシングルトン(スートが一致しないカード)をプレイしていれば、最も高いシングルトンをプレイした人が他のシングルトンをすべて獲得します。
・最も高いシングルトンの同値がある場合、またはシングルトンが1枚しかない場合、各シングルトンは自分で獲得します。

(例:省略)

(3人戦では、ダミーが通常のプレイと同様にカードを獲得することがあります。これは単に人間のプレイヤーにカードを与えないという効果があるだけです。)

爆弾(ジョーカー)を投げる

アナーキストがトリックにジョーカーを出した場合、「爆弾を投げた」ことになります。この場合、このトリックのみカードの強さが逆になり、2が最強に、Aが最弱になります。まずアナーキストは爆弾を、表向きの余っている1枚のカードと交換し、このカードをトリックにプレイしたものとして、取るまたは取られるように処理します。それからジョーカーを捨て札にします。爆弾はこのディールでは二度と投げられず、誰にも取られません。

得点

プレイが終わったら、獲得したカードを公開し、宣言したビッドに従って得点します。たとえば、終了時に獲得したカードがスペードのK-10-4、クラブのJ-10-7-2、ハートのQ-3、ダイヤの9の場合、得点は、ビッドがカードなら10点、ブラックなら14点、レッドなら6点、ベストなら12点、スペードなら12点、クラブなら16点、ハートなら8点、ダイヤなら4点、アンダーなら15点になります。オーバーをビッドしているとマイナス点になりますが、このときは0点とします。

ボーナス

以下の2つはビッドはできませんが、達成している場合、ビッドで獲得した点数に加えて獲得します。
・ボイド。1枚も取らなかった各スートにつき10点。
・カルテット。同じランクの4枚のカード1組につき20点。

ゲーム

革命が始まるまで遊びましょう。

バリエーション

爆弾が投げられた場合、捨てずに余りのカードにくっつけます。獲得した人は得点計算でこれを数えてよく、好きなスートに属するものとします。

秩序立った混乱

このバージョンは10ディールからなり、各プレイヤーは10種類の可能なビッドをちょうど1回ずつ宣言しなければなりません。ジョーカーは使わず、アナーキストおよび爆弾はありません。
さらに、カードを配ってからビッドの前に、カードを3枚左隣のプレイヤーに渡し、右隣から3枚を受け取ります。(3人戦のときこの交換にダミーを含めるかどうかは多数決で決めてかまいません。1人が賛成、1人が反対、1人が棄権した場合、皆さんが酔っ払って何もプレイしていないことは確実です。)

ビッドの記録をつけるには得点表が必要です。縦の各列はプレイヤーを、横の10行は異なるビッドとその得点を表し、11行目に合計点をつけます。以下は、2ディール後のスコアシートの例を示しています。
(スコアシート:省略)



<2018/10/24>


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