ルール
かなり複雑なので、流れがわかるように説明してみます。
■概要
プレイヤーは
「鷹の家」「薔薇の家」どちらかの公家に所属します。
3人なら9ラウンド、4人なら8ラウンドにわたって2つの公家で領地を争い、
各ラウンドの戦争に勝った公家のプレイヤーは勝利点を得ます。
ゲーム終了時にもっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
■準備
・土地カード12枚を、6枚鷹・6枚薔薇の面にして、よく切ってテーブルの中央に円形に並べます。
・土地カードの円の中央に、行動カード6枚を伏せて置きます。
・兵站カードをよく切って、各プレイヤーに3枚ずつ配ります。残りは山札にします。
・屋敷・商館カードを各プレイヤーに3枚ずつ配り、スタートプレイヤーから順に1枚ずつ、屋敷を表にして好きな土地の下に差し込みます。
・各プレイヤーが互い違いに異なる公家になるように、所属カードの面を決めます。
・初手番の人は、スタートプレイヤーカード、戦略カード、戦場カードを受け取ります。
だいたいこんな感じにします。行動カードは実際には裏向きです。
■ゲームの流れ
3人なら9ラウンド、4人なら8ラウンド、5人なら10ラウンドを行います。
各ラウンドでは、大きく分けて
(1)戦場の決定
(2)戦争
(3)戦争後の処理
の3つのフェーズを行います。
戦争に勝った公家は、勝利点を得られます。
また、戦争時に各プレイヤーは「行動」を選ぶのですが、選んだ行動によって勝利点がもらえることもあります。
以下では、各フェーズの詳細を説明します。
■(1)戦場の決定
戦略カードを持っているプレイヤーが、戦場を選びます。
戦場カードを、公家が異なる2つの土地カードの間に置きます。
鷹の家の「牧草地」と、薔薇の家の「川」との間に、戦場カードが置かれました。
この土地の間で戦争が発生し、各プレイヤーは所属する公家の勝利を目指します。
■(2)戦争
戦場が指定されたら戦争になります。
戦争の勝敗は、
・土地の戦力
・各プレイヤーの出した兵站
・各プレイヤーの選んだ行動による加算値
の合計により決まります。
土地の戦力は元々決まっているので、強い土地のほうが当然有利になるわけです。
上の写真だと、鷹の家の牧草地は戦力3、薔薇の家の川は戦力5です。
戦争は
「行動の選択」「兵站の拠出」「戦争」の順に行っていきます。
まず、各プレイヤーは
この戦争での行動を選択します。
スタートプレイヤーが行動カードの束から1枚を見ずに中央に伏せ、
残り5枚から1枚を秘密裏に選択し、選ばなかったカードを次の人に渡します。
以降の人は渡されたカードから1枚選択し、残りを次の人に渡します。
最後の人は、残ったカードを中央に伏せます。
(ここで選ぶ行動がこのゲームで一番重要なのですが、説明は後ほど)
次に、各プレイヤーが
拠出する兵站を決めます。
スタートプレイヤーから順に、0〜5枚の兵站カードを手札から出します。
ここぞと思えば多めに出しますし、1枚も出さず負けに行ってもいいわけです。
兵站カードの強さは2〜8まであります。
ここでは4枚、計17の兵站を出しており、土地とあわせて戦力20になっています。かなり強いです。
全員が兵站を出したら、いよいよ
戦争です。
各プレイヤーは一斉に、選んだ行動カードを公開します。
それぞれの公家は、自陣営の土地の戦力、プレイヤーの兵站、行動カードの戦力を合計し、数値の大きいほうが勝ちます。
勝った公家のプレイヤーは、負けた公家の土地カードに記載の勝利点をもらえます。
(もらえる点数は人数により変わります)
たとえば、上の写真で鷹の家が勝った場合、
負けた薔薇の家の「川」の勝利点を得られます。1人で勝利すれば5点、2人なら各々4点ずつ、といった具合です。
その後、負けた土地カードは裏返って、勝った方の土地になってしまいます。
このように、指定された係争地で
・行動を秘密裏に選び
・兵站を0〜5枚拠出し
・行動を公開し、勝敗を決め、勝った公家は勝利点を受け取る
というのが戦争の流れになります。
■6種類の行動カード
では、どんな行動があるか、順に見ていきましょう。
全部で6種類です。
<反逆者(フェレータ)>
これを選ぶと、公開した瞬間、
所属する公家が反対になります。
また、戦争の終了時に勝利点1点が
(勝っても負けても)もらえます。
<外交家5>
これを選ぶと、
自分の公家の戦力に5ポイント加算します。
また、全員が同じ公家の場合、これを選んだ人は反逆者と同様に
公家を変更します。
<外交家2>
これを選ぶと、
自分の公家の戦力に2ポイント加算します。
また、後述する兵站の補充で、最後に1枚補充できます。
<戦略家>
これを選ぶと、
次ラウンドの係争地を選ぶ権利を得ます。
また、戦争の終了時に勝利点2点が
(勝っても負けても)もらえます。
<農業家>
後述する
兵站の補充で、最初に3枚補充できます。
<建築家>
後述する
建築で、屋敷・商館カードを1枚場に追加できます。
外交家以外は、戦争での戦力加算はありません。
■(3)戦争後の処理
戦争後は
・建築
・兵站の補充
・次ラウンドの準備
を行います。
まず、建築家を選んだプレイヤーが
建築を行います。
自分の屋敷・商館カードを、どちらかの面を表にして、空いている土地の下に差し込みます。
もしくは、すでに場に出ている屋敷・商館カード1枚の面を裏返すこともできます。
自分の公家の土地に
屋敷カードがあれば、次の「兵站の補充」で1枚兵站カードがもらえます。
自分の公家の土地に
商館カードがあれば、ゲーム終了時、1枚あたり兵站カード枚数分の点数がもらえます。
一度場に出した屋敷・商館カードを別の土地に移動はできません。
また、商館は2つまでしか建築できません。
屋敷・商館カード。5色x3枚あり、表が屋敷、裏が商館になっています。
建築が終わると、
兵站の補充です。
まず「農業家」が山札から3枚補充します。
次に初手番の人から、自分の公家の土地にある屋敷カードの枚数だけ、順に山札から補充します。
最後に「外交家2」が山札から1枚補充します。
補充は3枚までしか行えず、手札は5枚までしか持てません。
手札がオーバーする場合、補充前に捨てておくこともできます。
最後に、
次ラウンドの準備として
・戦略家を選んだプレイヤーに、戦略カードと戦場カードを渡し
・スタートプレイヤーカードを左隣に渡し
・行動カードを中央に戻して
ラウンドが終了します。
■ゲームの終了
所定のラウンドを行うか、全ての土地が同一公家のものになると、ゲームは終了します。
最後に、所属する公家の土地にある商館の点数を、獲得した勝利点にプラスします。
(兵站カードの枚数x商館カードの枚数。ただし、兵站は3枚までしか数えない)
勝利点の合計が一番高いプレイヤーの勝利です。
感想
ドイツ語版で一回、4人でプレイしました。
ゲームの流れがけっこう複雑で、把握するのに時間がかかりますね。把握してからが本番というか、面白そうな感じはあります。
一回だけプレイした限りでは、
けっこう渋い、通好みのゲームという感じでしょうか。悪くはありません。悪くないんですが、ちょっとピンとこないところがありました。
一つには、何度か言ってますが難しいゲームなので、ゲーム序盤ではラウンドの流れが把握できず、中盤でやっと理解してきたということ。
もう一つには、どの行動カードをどのタイミングで選べば効果的か、兵站はどのくらい出せばいいか、そのへんの感覚が初見ではつかみにくいというのがあります。一戦試しにやってみて、ようやく意味が理解できます。
そういう意味では
・ゲームの流れと行動の早見表が必須
・何回か繰り返してのプレイ推奨
・かつ、ある程度ゲーム慣れしてないと、どうすればいいか分からない
という感じで、初心者・初級者向けではありません。ゲーム慣れした人どうしなら、熱い心理戦になると思われます。
どこが一番難しいかというと、行動を選択するとき、その回の戦争に勝つことを優先するよりも、次ラウンド以降の戦いも踏まえた戦略を立てる必要があるんですね。
次に勝つのを狙って今回は兵力を温存しようとか、戦いの帰趨を見定めて次の戦場を決めようとか、後半に商館を建てていこうとか。そういう長期的な見通しを要求されるという点が、けっこう敷居が高いなという印象を受けました。
先日発売された日本語版には早見表がついており、上記の問題が一部解決しています。行動カードにも日本語で効果が書いてあるので、ドイツ語版よりだいぶプレイしやすいのではないでしょうか。ゲームの流れは格段に把握しやすくなっているはずですので、日本語版で再度遊んでみたいと思います。
ゲームの流れと行動カードの早見表。これがあると断然遊びやすいです。
得点ボード。原版はこれもなく、チップを別途用意していたので、嬉しい変更点ですね。
…え? ああそうですよ
ドイツ語版持ってるのに日本語版買い直しましたけど何か問題あります?