No.13 交易王 / Handelsfuersten
相場を作って、商品を売りさばいて、一山当てる、商売人のロマン。
作者 | Reiner Knizia ライナー・クニツィア |
人数 | 2-4人 |
プレイ回数・人数 | 3回/2人 |
時間 | 20分 |
種別 | カードゲーム |
ポイント | 【初心者向け】【2人OK】 |
ゲーム難度(5段階) | 2 |
評価(10点満点) | 9 |
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たまには新作もレビューしたいぜ!
ということで、きょうは今月出たばかりの新作「交易王」を紹介します。
といっても元は2007年のゲームでして、
名作と評判高かったのですが、ずっと品薄で手に入りにくい状態が続いてました。
それがこのたび日本語版になってリリースされました。めでたいことです。
流行に敏感な筆者(ここは笑うところです)はさっそく買ってみたところ、
期待を上回る面白さでしたので、
これは早く紹介しなくては! と思いまして。
ということで、さっそくルールをご紹介します。簡単ですよ!
ルール
市場の相場を見極めて、商品の仕入れと売りを繰り返します。
商品を売ってお金を稼ぎ、もっともお金を多く稼いだ人の勝利です。
■準備
商品カードを1人3枚ずつ配り、最初の手札にします。
場の中央に商品カードを6枚並べます。
これが
市場で、商品の相場を表しています。
残りの商品カードは山札にして、市場の横に置きます。
市場。商品カードは6種類、各10枚。相場は刻々と変わります。
船カードを1人2枚、(手札とは別に)手元に置きます。
残りの船カードと3種類の特殊カードを、市場の脇にそれぞれ分けて置きます。
商品コマと金貨を適当な場所にまとめて置きます。
準備完了です。
■終了条件と勝利条件
商品カードの山札がなくなったら、その時点でゲームは終了します。
金貨をもっとも多く持っている人の勝利です。
手札に残った商品カード、持っている特殊カードは勝敗に関係ありません。
■最初の商品入荷
開始プレイヤーを決め、順に1個ずつ、船に商品を入荷します
(船カードの上に商品コマを乗せます)。
船1隻につき商品1個を載せられますので、これを2回行います。
■手番
手番では、
アクションA <商品コマの交換> または <特殊カードの購入> または <パス>
アクションB <決算> または <手札の補充>
を、A→Bの順に行います。
■アクションA
次の3種類から1つを選んで行います。
<商品コマの交換>
船の商品コマを
1個だけ、場にある他のコマと交換します。
他人の船にあるコマとは交換できません。
<特殊カードの購入>
8〜12金を支払い、場にある船または3種類の特殊カードから
1枚だけ購入することができます。
購入したカードは、表にして手元に置きます。
<パス>
何もしないこともできます。
■アクションB
次の2種類から1つを選んで行います。
(アクションAとちがい、パスはありません)
<決算>
手札から、
同じ種類の商品カード1〜6枚を市場に出します。
出したカードは1枚ずつ前のカードに重ねて置きます。
(これで市場の需要が変わるわけです)
このとき、
出した色のカードの決算が起こります。
船に積んだ同色の商品1個につき、市場にあるカード枚数分の金貨がもらえます。
これはカードを出した人だけでなく、
全員が同時にもらいます。
2人での決算の例。緑(綿)の決算が起こりました。
自分(手前)には緑2個×カード3枚=6金が、相手には緑1個×カード3枚=3金が入ります。
<手札の補充>
商品カードの
山札から2枚引き、手札とします。
手札の上限はありません。
■特殊カードの種類
船+3種類の、計4種類があります。
どのカードも、買ったときから効果を発揮します。
特殊カード。結構値は張りますが、どれも強力です。
<船>
最初に持っている船と同じで、
1隻に商品を1個積めます。
買ったら直ちに、商品を1個選んで積みます。
<商館>
手番の最後に、
商品カードを1枚引けます(しなくてもよい)。
決算した場合でも1枚引けるし、補充した場合は計3枚引けることになります。
<協定>
決算で収入があった場合、
追加で2金もらえます。
もちろん
誰の決算でもOKです。
<荷役(にやく)>
アクションAで、
船の商品コマを1個交換できます(しなくてもよい)。
交換を選んだ場合は、計2個交換できることになります。
重要な点として、
同じカードを複数買うこともでき、効果は累積します。
つまり、たとえば荷役を2枚購入すると
アクションAで
通常の交換とあわせて、計3個商品コマを交換する
ということもできたりします。
遊んでみた
妻と3戦ほどやってみましたので、3戦目の写真を1枚。
ファミレスで遊びました。
藍の決算で引き離されたところで、こちらの手札がばらけており、苦しくなってます。
このときは10金差ぐらいで負けました。
ちなみに最初妻と遊んだとき、1戦目はいい勝負だったのですが
2戦目に商館を2枚買ってカードを引きまくったところ
うっかりボロ勝ちしてしまいましてね。
当然、
ものっすごい機嫌を損ねられましてね、ええ、はい。
そこで「2枚買い禁止」のハウスルールをつけ
られて勝負しているのが
上の写真になりますことを、参考までに付記しておきます。
(特殊効果飛びまくりのバカ勝負がなくなるので、それはそれで悪くありません)
感想
こんなにシンプルで、たった20分で、これだけ遊ばせてくれるのかと思います。
素晴らしい。これは買いです。
最初に面白いと感じるポイントはやはり
「手札に同じ商品をためこんで一気に決算」するところですが、
全員が同時に決算するため、相手が同じ商品を持っていると
相手にも金が入ってしまうというのが、うまく計算されています。
これがあるせいで「決算していいの? どうなの?」という悩みどころが
最初からできてくるわけです。
一度に大きく出るのか、細かく決算して稼ぐのか。
また、各商品カードの枚数も限られた中、
どのタイミングで決算するのか。
こうした読み合いが随所に起こるので、最後まで飽きません。
そして特殊カードも、たった3種類ですが
組合せからどんな戦略をとるか、考えるのが楽しい。
1種類を2枚買って戦略を特化することも、バランス良く組み合わせることもできます。
船を買いまくって、収入のチャンスを拡げるもよし。
商館でカードを引きまくって、短期決戦にしてもよし。
協定を早めに買って、細かく稼ぐのも悪くありませんし、
荷役を船と組み合わせて、一気に大金を稼ぐ手だってあります。
カードはどれも強力ですが、値段も相応にするので
どこで購入するかの見極めも問われます。
まだ2人でしか遊んでいませんが、
市場での売買の駆け引きという感じがしっかりあって、非常に楽しめます。
多人数向けゲームは2人で遊ぶといまいちなこともありますが、
これは
2人専用ゲームと比べても遜色ない面白さです。
自分の中では
バトルライン以来のヒットの予感がします。同じ作者ですしね。
4人だと特殊カードも相場も入り乱れて、もっと混沌としそうです。
それもやってみたいなあ…。
強いて欠点をあげるとすれば、
若干
プレイヤーにバランス感覚を要求するところがあります。
上のプレイ記でもちらっと書きましたが、特殊カードを買い占めると
かなり好き放題できてしまうため、買いどきを逃したプレイヤーに対して
差がつきやすくなります。
プレイヤーに勝負どころがちゃんと見えていることを要求しているので、
そういう意味では、繊細なゲームではあります。
とはいえ、ルールもごらんの通り簡単で、コツもつかみやすいので
ゲーム慣れしてなくても楽しめると思います。
2人から4人までと、出番も広いです。
短い時間に、たっぷり満足感のつまった名作です。
持っておいて損はないですよ!
<2014/10/24>
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