No.11 パンデミック / Pandemic
崖っぷちのスリルが味わえる。アウトブレイクから世界を救え!
作者 | Matt Leacock マット・リーコック |
人数 | 2-4人 |
プレイ回数・人数 | 4回/2人 |
時間 | 30分 |
種別 | ボードゲーム |
ポイント | 【2人OK】 |
ゲーム難度(5段階) | 4 |
評価(10点満点) | 9 |
|
|
|
先週から話題のニュースといえば、なんといってもこれです。
デング熱 - Googleニュース検索
「代々木公園にいたら蚊に刺されて謎の病気に感染した」って
それ超怖くないですか?
たまたまこのニュース聞いた日、原宿にいたのでもうビビりまくりでした。
しかも患者増えてるじゃないですか。代々木公園は封鎖されるし、新宿や神宮でも感染が確認されたっていうし。
おちおちヤクルト戦も観に行けません。関係ないか。そうか。
不安になったので思わず
厚生労働省のQ&Aを見てみたら
「人から人には直接感染せず」「予後も比較的良好」で、重篤な症状に至るのはまれ
とのことで(インフルエンザみたいなもんですかね)、少し安心しました。
それでも未知の感染症というのは、なんとなく恐ろしいものです。
そして(規模は全然違いますが)、同じく最近、西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡がっている
というニュースもあります。
こちらの報道によれば
6〜9ヶ月の収束を目指すということで、この病気の猛威がうかがい知れます。
まさにタイムリーな脅威となっている感染症ですが、
そんなものをテーマにした怖いもの知らずのゲームがあるそうで、
これは今やるしかないじゃないですか。ねえ。
ということで、こないだ買ってきたのを早速遊んでみますよ。
ルール
「パンデミック」は、プレイヤーが人類代表となって感染症と戦うゲームですが、別に
病原菌役のプレイヤーをその他大勢で攻撃する的なゲームではありません。
プレイヤー全員で協力して感染症の撲滅をめざす、いわゆる
「協力ゲーム」です。
■目的
これは最初にボードを見てもらったほうが早いですね。
世界中の都市に、4つの病原体(四角いキューブ)がわらわらいるの図。
毎手番、この病原体キューブが、世界のあちこちに少しずつ増えていきます。
放っておくと拡散するこれらの病原体を、世界中を飛び回って駆除し、
最終的に
4つの治療薬を作ることが、プレイヤー全員の目的(勝利条件)です。
しかしその前に
(1) アウトブレイク(爆発的拡散)が8回発生するか、
(2) どれか1つの病原体が限度(キューブの数)を超えて拡散するか、
(3) プレイヤーの時間がなくなる(都市カードが切れる)か、
3つどれかが起こったら、プレイヤー全員の負けです。
■セットアップ
(ここは備忘なので、読み飛ばしてもOK)
【感染カードの用意】
感染カードをよく切って山札にします。
このカードが毎手番めくられると、その都市に病原体が増えます。
【都市カードの用意】
都市カードは毎手番プレイヤーが引きます。5枚集めると治療薬が作れるほか、様々なアクションに必須です。
(1) 「エピデミックカード」を除いた都市カードをよく切って、各プレイヤーに決まった枚数配ります。2人なら4枚、3人なら3枚、4人なら2枚。これが最初の手札になります。
(2) エピデミックカードを用意します。最初は4枚、慣れたら5枚、最高は6枚です。
(3) 都市カードの残りを、エピデミックカードの枚数分の山に分け、各山札にエピデミックカードを入れて混ぜ、山札を重ねます。
【調査基地の設置】
最初の調査基地を、アトランタに配備します。
基地がある都市でしか治療薬は作れませんので、この基地の設置は非常に重要です。
■役職の選択
まず、プレイヤーはそれぞれ、
7枚の役職カードから役職を1つ選びます。
役職にはそれぞれ、特殊能力があります。
治療薬を素早く作成できる「科学者」といった
非常に強い能力から、特殊能力カードを再利用できる「危機管理官」という
正直微妙な能力まで、まあいろいろです。
左が科学者。治療薬を作るには都市カードが5枚必要なところを、4枚で作成できる。右の検疫官も、自分がいる都市のウイルス感染を防げるので、かなり強い。
カードを見て「こいつ使えねーな」とかあれこれ言いながら取っても楽しいですし、ランダムに取るのもいいでしょう。
(一応、ルール上はランダムに配ることになってます)
選んだら、自分のプレイヤーコマを、アトランタに置きます。
なぜアトランタなのかというと、
アメリカ疾病管理予防センターという感染症の研究施設が
そこにあるそうなんですね。
そういえば昔『アウトブレイク』っていう映画で、そんなの見たような気がする。あれもまさに感染症をテーマにした映画でした。
ここらへん、アメリカのゲームって感じがしますねー。
■最初の感染
最初に感染カードを9枚めくり、そこに書いてある都市に、病原体キューブを置きます。
つまり、
感染症はすでに拡散しつつある状況からゲームが始まるのです。
実に怖いシチュエーション。
まあ、考えてみたら
感染症が発生したからこそ主人公チームが活動しなくてはならないわけで、設定としてはリアルではあります。
処理としては
・まず山札の上から3枚めくり、3都市に病原体キューブを
3個置く。
・続いてもう3枚めくり、3都市に病原体キューブを
2個置く。
・さらにもう3枚めくり、3都市に病原体キューブを
1個置く。
となります。めくった感染カードは捨て札にします。
ちなみにキューブは各24個あるのですが、感染が広がるたびに置いてゆき、
どれか1種類でも置けなかったらその時点で敗北です。
(正確には
「病原体キューブを置くとき、ストックに必要な数がなければ負け」です。必要数置ききって残り0個なら、まだ負けではありません)
■ゲームスタートしたら
順番に手番を行います。流れは
・アクションを4回行う
・都市カードを2枚引く
・感染が起こる
これを繰り返すのですが、先に
感染の処理を説明したほうが分かりやすいと思いますので、触れておきます。
■恐怖の感染
毎手番の最後に必ず行います。やることは簡単で、
感染カードを山の上からめくり、その都市に病原体キューブを1個置く
これだけです。
めくる枚数もたった2枚です。
最初は。そのうち枚数増えるんですけどまあそれは後で。
しかし、1都市に同色のキューブが3個あった場合、
アウトブレイクが発生します。
同じ都市に4個目を置くのではなく、
隣接した(=線でつながった)すべての都市にキューブを1個ずつ置かなくてはなりません。
代々木公園の蚊が新宿中央公園や神宮に移動するようなもんです。いやよく知りませんけど、たぶんそうだと思います。
例。中央のメキシコシティに黄色キューブが3個あるため、周囲の5都市に黄色の病原体が1個ずつ拡散しました。
この
アウトブレイクが8回発生しても負けです。シビアだぜ!
恐ろしいのは、アウトブレイクで撒いた先の都市にも同じ色のキューブが3個あったら、
その都市でさらにアウトブレイクが連鎖することです。
なので、一度アウトブレイクが発生すると、芋づる式に病原体は拡散していきます。
つまり、
アウトブレイク自体が8回発生しても負けるし、その過程でどれか1種類の病原体が枯渇しても負けるので
一度拡散するとあっという間に詰んでしまいます。超リアル。
それを防ぐべく、我々には手番の最初にアクションする権利が与えられます。
■アクション
アクションには次の5種類があります。どれでもいいので4回まで行えます。
同じアクションを2回以上したり、あえて何もしないのもアリです。
いくつかのアクションには都市カードが必要ですが、都市カードはアクション終了後に補充できます。
1.「移動」
自分のキャラクターを別の都市に移動します。1移動1アクションです。
普通は「隣の都市に移動」しますが、「都市カードを使ってその都市に飛ぶ」「今いる都市のカードを使って好きな都市に飛ぶ」「調査基地間を移動する」こともできます。
地球の裏側なんて普通に行ってたらあっという間にアウトがブレイクするので、爆発感染が起こった地域には、カードでいち早く飛んでいきましょう。
2.「調査基地の建設」
今いる都市のカードを捨てて、そこに調査基地を建てます。
基地がある都市でしか治療薬は作れませんので、タイミング重要。場所も重要。
3.「治療薬の開発」
このゲームの目的です。同色の都市カードを5枚捨てれば、その色の薬が作れます。
上に書きましたが、
基地のある都市でないと治療薬は作れないのが辛いところです。(都市の色にかかわらず、どの都市でどの治療薬も作れます)
さらに
手札は実は7枚しか持てないのも地味にキツくて、5枚集めるのも骨が折れます。
4.「感染者の治療」
今いる都市の病原体キューブを1個駆除できます。1アクションで1個です。
どれかの病原体キューブが尽きると負けてしまうので、こまめに除去しなくてはなりません。
また、治療薬を作ったら、1回の治療でその都市のキューブを全部除去できます。
さらに、治療薬を作ったウイルスを全部駆除すると、
その病原体を根絶したことになり、
以降、
感染カードでそのウイルスが出てきても、何も起こらなくなります。
5.「都市カードの受け渡し」
カードと同じ都市に2人のコマがいれば、その人との間でカードを1枚受け渡しできます。
渡しても、受け取ってもよいですが、2人ともその都市にいなくてはならないのがポイントです。
治療薬に必要な5枚を自分だけで集めきるのはほぼ無理ですから、適宜交換してカードを揃えます。
また前述の通り、手札は最大7枚までしか持てないため、超過したら捨てるかイベントカード(後述)を使うかして、7枚まで減らします。
■都市カードを引く
アクションを終えたら、
都市カードを山から2枚引きます。
都市カードが増えるのは、受け渡しを除けば、ここだけです。
普通のカードは都市名と色が書いてあるのですが、ときどきこんなカードが出てきます。
イベントカード。
いろいろ便利な効果があり、いつでも使えるので、困ったときにはバンバン使いましょう。
ここで手札が8枚以上になった場合も、いらないカードを捨てるか、上記のイベントカードを使うかして、7枚に減らします。
あっそうそう、
都市カードの山が引けなくなっても負けますので、残り枚数には注意してくださいね!
そして、たまにこんなカードも出てきます。
これが噂の
エピデミックカード!
これを引くといろいろ
楽しい恐ろしいことが起こりまして、
(1) 感染率が上昇
(2) 感染カードを山札の下から1枚引いて、その都市に病原体を3個置く
(3) 捨て札の感染カードをシャッフルして、すべて山札の上に戻す
(1)は、感染率メーターというのがありまして、これの目盛を1上昇させます。
メーターが上がっていくと
感染処理でめくる枚数が3枚、4枚と増えていくんです。
(2)も結構やばくて、その都市の病原体が
一気に3個増えるのが地味にプレッシャーです。
そして何より怖いのは(3)で、山札の
上に戻すということは、つまり
一度感染した都市がまた出てくる
ということです。同じ都市が、何度でも感染する。
しかもこれ、その直後に感染処理を行うわけで、つまり
(2)との合わせ技で
その都市がいきなりアウトブレイクする可能性も高いわけで、
ゲームが進むほど、加速度的に世界は破滅に近づいていくということなのです。
ちなみに、エピデミックカードを引いた場合、代わりの都市カード補充はありません。エグいですね。
■終了条件のおさらい
そんなこんなで、
アクションをこなし、
都市カードを貯めて(たまにエピデミックが起こり)、
感染が発生し、
を繰り返して
4種類の治療薬をすべて作成すれば、プレイヤーの勝利です。
ポイントは
「治療薬を作ればいい」だけなので、その後「全ウイルスを根絶する」必要はない、という点です。
薬を作ってもウイルスは発生しますが、薬さえできていれば、ウイルスが残っていても勝利します。
(もっとも、根絶させるとそのウイルスはもう出てこないので、その後のゲームが楽にはなります)
そしてその前に
(1) 8回目のアウトブレイクが発生するか、
(2) どれか1種類の病原体キューブが足りなくなるか、
(3) 都市カードの山がなくなるか、
どれか1つが起こったら、敗北です。
遊んでみた
三鷹のテンデイズゲームズで「メーカー在庫切れですから、もしどれを買うか迷われてるなら
こちらをオススメします」という店長さんの言葉に背中を押してもらい購入。
決して衝動買いなんかじゃないです。信じて下さい。
そして翌週妻と2人で「これ遊んでみようか」ということで。
「今こんなゲーム出して大丈夫なの?」
「確かに、よく作ったなとは思う」
「なんか、先進国の悪趣味って感じがする。よその伝染病を高みの見物っていうか」
「まあ映画だと思って。ゲームってそういうもんだから」
ほら、世の中にはモロに
植民地プランテーションをテーマにしたゲームもあることだし。
まずは初級ということで、エピデミックカードは4枚にします。
「これ、どの色がどの病気とかある?」
「確かね、黒がエボラで、黄色が腸チフス。赤が天然痘で、青が炭疽病」
説明書には特に書いてないのですが、一応
ネットの掲示板ではこれじゃないかと言われています(青はA型インフルエンザ説も有力)。
とりあえず今回は、そういう設定でゲームすることにします。
役職は、妻が「通信指令員」で、私が「研究員」。
通信指令員は、自分の手番に他プレイヤーのコマを移動できます。緊急事態に役立ちそうな気はする。
研究員は、自分の手札の都市カードを、今いる都市に関係なく相手に渡せます。おっ、これは使い勝手良さそう。
で、ゲーム開始。
とはいえ、最初の手番では2人とも要領がわかりません。
妻「最初ってどうすればいいの」
私「まずは、ウイルスに感染してる手近な都市行って治療する?」
妻「じゃあこっち(ヨーロッパ)かな。1、2、3で移動して、4でキューブ取る」
という感じで、おっかなびっくり進みます。
序盤(2〜3手目ぐらい)。手前の白い家が、アトランタの調査基地です。
最初の手番が終了したので、都市カードを2枚取ります。
1枚目は…
おおっと! いきなり エピデミック カードが めくれたぞ!
私「はいはいはい、感染ー。あっ、カラチに黒が3つ感染! からの感染カードを山札に戻す!」
妻「えー、ここからまた2枚めくるの?」
私「うん」
恐る恐る…めくり。
まあ、初回はさすがにアウトブレイクはなし。
「じゃあ次は俺の番で、えー、パリに飛んで炭疽菌1個駆除! 終わり!」
都市カードを引き、感染カードをめくり、
私「あっ、上海で早くもアウトブレイク来た! 周り5都市に天然痘が感染します! 残念!」
妻「うわわわわ」
いきなり赤のキューブが減ってきました。負けそう。
妻「怖いー。このゲーム怖いー」
「とりあえず、アウトブレイク起こったらやばい」と私。
「じゃあやっぱ、3つキューブがあるとこ行って、そこを治療しながらカード集める」と妻。
「うん」
「どこがヤバいかな。アジア? インド?」
「うーん、その辺とあとは、ヨーロッパと南米とアフリカと」
「全部か」
「だって」
「じゃあ、カード使ってバンコク行く」
実は初期配置で東アジアが赤(天然痘)にごっそり感染してるので、その辺りがダントツで危険になってます。
それをいち早く治療しに向かい、コツコツカードを貯める妻。
その間にこっちはヨーロッパで青(炭疽菌)対策をしてるんですが、
パリやマドリードで青を治療してると、南米と南アフリカで黄色(腸チフス)が感染し、
よく見たら中東あたりの黒(エボラ)もじわじわ増加してます。
ヤバい。これヤバい。対策全然とれないのに、増えるスピードが圧倒的に早い。
その間にも
私「あっ、またエピデミックカード引きました。すいませんすいません」
妻「このバカヤロー。このゴミ、このクズ」
ついに感染カードのめくり枚数が3枚になり、ますます感染が加速していきます。
※実はこのときルール間違えてて、エピデミックカードを混ぜた山札を全シャッフルしてました。どうりでエピデミックが早いと思った。
幸い、2人だと都市カードをストックしやすく、自分の手元に比較的あっさり黄色5枚が集まりました。
「よし、じゃあこれで黄色の治療薬つくるよー」
「やったーやったー」
とりあえず、第1段階はクリア。
そして妻のほうでも
「青集まったから、基地建てて、5枚で薬完成!」
よーし。半分クリア。
しかしその間に、最初から感染が激しかった赤がいよいよ猛威を振るってきました。
私「まずい。キューブがない!」
妻「じゃあもう一回アジア行く!」
そして、最初のほうで(都市カードの枚数超過で)赤の都市カードを捨ててた影響で、中盤に赤が全然回ってこない。
つまり、薬ができない!
そうこうしてるうちに
「今度はパリでアウトブレイクが」
「えっ、ジャカルタも3つ来たじゃん」
「コルカタが、コルカタが」
気づけば、
アウトブレイクも7回発生してしまいました。あと1回起これば、負けです。
そして、カードも残り少なく、終盤。
妻の手番。
「コルカタとカラチ、両方3つある。どっちが怖いかな」
「確率はどっちも一緒」
「やっぱどっちか駆除しとくべきだよね」
コルカタに行き、駆除。
「あとは?」
「上海に行ったら、次の手番で基地行って、赤の薬作れるんじゃない」
「よし分かった」
この手番を乗り切れば、最後の薬が完成しそうです。
「でも、赤やばくない? どっかアウトブレイクしたら」
「それはもう祈るしかない」
そしてアクションが終わり、感染フェイズ。
感染カードを…めくる。
コルカタ。
「ふうー」
「取っといて、よかったね」
うん。
「…あと2枚」
めくる。
ホーチミン。
「これは大丈夫。3個目だけど、怖くない」
3枚目。
めくる。
私「あっ、カラチが! カラチが、アウトブレイクしたやよ! 8かいめの、アウトブレイクやよ! せかいは、めつぼうしたやよ! ベイスターズ、まけたやよ! ざんねんやよ!」
妻「うーわあー! 悔しー!」
負けました。東アジアが真っ赤に染まってます。
妻「もう一回やろう」
実際すごい惜しいところで負けたので、今度は必勝を期していきます。
妻「さっきのはね、役職が悪い。通信指令員、全然役立たずだった」
私「確かにこれは、4人ゲームの方が使いやすいかも」
妻「えーとね、これ使おう。科学者。これ強そう。あとこの衛生兵、これも強そう」
ということで、2回目は科学者と衛生兵でのプレイ。
今度は勝手知ったるもので、アウトブレイクの危険を早めにつぶすことに注力します。
特に前半は衛生兵が非常に強く、1アクションで病原体1色を全部除去できるので、さながら
こういう感じでどんどん都市を浄化作戦していきます。
そして科学者パワーで、カード4枚で最初の薬が完成!
続いて2つめも完成!
そして3つめも!
4つめも!
「終わり! 薬できた!」
「やったー! やったー!」
1回目の死闘が嘘のように、あっさり勝ちました。
妻「…これはこれでつまらん」
私「まあ、そんなもんだ」
感想
傑作です。めちゃくちゃ燃えます。
伝染病というテーマ通り、病気が拡がっていくさまは本当にスリリングです。
感染カードをめくる瞬間の恐怖。
エピデミックカードを引いたときの絶望感。
アウトブレイクが発生したときは思わず「うわー」と叫ばずにはいられません。
そのスリルをかいくぐってウイルスを駆除し、治療薬を作ったときは本当に達成感があります。
1人だと絶対勝てない戦いを、2人で(あるいは3〜4人で)協力してカードを集め、
分担してウイルスに立ち向かう。
普通の対戦ゲームとはまた違った気持ちよさが味わえます。
なんていうか、本当にハリウッド映画っぽい。
テーマはまさにぴったりですが、感染症の恐怖をそこまでリアルに感じるわけでもなく、
むしろ映画でヒーローが敵を倒していくような、そういう爽快感のほうが強いです。
グロテスクな描写があるわけでもないので、誰でも抵抗なく遊べるのではないでしょうか。
毎回役職があるのが面白く、
これの選び方でだいぶ強さが変わったりするのですが、どの役職でも頑張れば
2〜3回でクリアできるようにはなっていると思います。
上のプレイ記では2回目に役職を選んでますが、ランダムに選んだり
あえて使いづらい役職で立ち向かうのも面白さでしょう。
楽しさに関しては、文句のつけどころがありません。すごいゲームです。
ひとつだけ欠点をあげるとすれば、ルールが意外とめんどくさいです。
移動に4種類あるとか、
調査基地がないと治療薬が作れないとか、
手札が7枚を超えたときの処理とか、
敗北条件にも3パターンあるとか、
細かい考慮事項がいろいろあって、それを全部人力で正しく捌くのが、初見では若干しんどい。
(コンピューターで処理できれば、とも思うんですが、そうすると
感染カードをめくる瞬間の緊張感はなくなっちゃうんだろうな、という気もするんですよね)
説明書も決して直感的に分かりやすいわけではないので、
ゲーム慣れしてない人が最初に遊んでも楽しい、とは思うんですが、
ゲーム慣れしてない人だけでこれをいきなり遊ぶのは難しいのかな、という気もします。
※なのでルール難度は「4」にして、あえて【初心者向け】をつけてません。
とはいえ、面白いことには間違いないので、
入手する機会があったら最初の1本としてチャレンジしてみても
決して悪くはない、と思います!
版元の在庫がすぐなくなるらしく、なかなか手に入らないのが残念ですが
見かけたらぜひ、手にとってみてください。
<2014/9/8>
←No.10 ジンラミー No.12 ジュリエットと怪物→
レビュー一覧へ トップページへ