No.08 チケット・トゥ・ライド / Ticket to ride
アメリカを、鉄道で旅する。
作者 | Alan R. Moon アラン・R・ムーン |
人数 | 2-5人 |
プレイ回数・人数 | 50回/2-5人 |
時間 | 60分 |
種別 | ボードゲーム |
ポイント | 【2人OK】【初心者向け】【家族向け】 |
ゲーム難度(5段階) | 2 |
評価(10点満点) | 10 |
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好きなボードゲームは?と聞かれたら、沢山あって選びきれないのですが
一番よく遊んでるのは?と聞かれたら、迷わずこの作品が挙がります。
「チケット・トゥ・ライド」。乗車券、という意味です。
10年前の2004年に発売され、ドイツゲーム大賞を受賞した折り紙つきの一作で、
私もゲームを知って間もない頃に遊んで、すぐファンになりました。
ゲーム界隈では「チケライ」と呼び、愛されています。
そんなファンはどうやら私以外にもいっぱいいたらしく、
今年2014年にはなんと、発売元のデイズ・オブ・ワンダー社主催で
「チケット・トゥ・ライド世界選手権」が開催されます。
で、せっかくの機会と、先日あった日本選手権の予選に夫婦で出場したのですが
妻のほうが圧倒的に強くて…まあこの話はまた今度しましょうか。
ということで今回は、そんなアニバーサリーイヤーを迎えた大人気ゲームを紹介します。
ちなみに筆者は選手権に出ておきながらこのゲームを持っていないので、
日本選手権予選の写真から抜粋してお送りします。
ルール
■目的
プレイヤーは、目的地チケット片手に、アメリカ全土に自分の路線をつなげます。
「列車を引く」「チケットの目的地をつなぐ」ことで、多く得点することを目指します。
アメリカの地図。逆から撮ってるので、手前がカナダ、左が東海岸です。
■準備
まず、目的地チケットを各プレイヤーに3枚ずつ配ります。
プレイヤーはこの中から、2枚以上を選んで手元に残し、いらないチケットは山札の底に戻します。
最初に引いた目的地チケットから、「ボストン−マイアミ」と
「モントリオール−ニューオーリンズ」の2枚を残す。どちらも東海岸です。
それから、列車カードを各プレイヤーに4枚ずつ配ります。
残りの列車カードは山にして、その横の場に5枚オープンします。
手元に45台の列車と、4枚の列車カードを持って、プレイ開始です。
■手番
アクションは3択です。この中から
1つだけ選択します。
1.
列車カードを2枚引く
2.
列車カードを出し、列車を引く
3.
目的地チケットを3枚引いて選ぶ
■1.列車カードを2枚引く
列車カードを
「場にオープンの5枚」または
「山札の一番上」から選んで、2枚引きます。
オープンの場から好きな色を選んでもいいし、狙った色に賭けて山から引いてもいいです。
場から1枚引いたら、すぐに山札をめくって補充し、それから2枚目を選びます。
手札の枚数に上限はなく、何回でも引き続けられます。
列車カードは全8種類+7色の機関車。
(写真はシリーズ作品「ヨーロッパ」のカードですが、アメリカ版と同様です)
機関車は何色の代わりにもなる、いわゆるワイルドカードです。お得です。
そのかわり、
1枚目で場に出ている機関車を取ると、2枚目は取れません。
(ですので、2枚目は場の機関車を取れません)
でも山札から引いて
「機関車だったラッキー!」なら、2枚目引いてOKです。
もちろん機関車を引いたことを言う必要もありません。
また特別なルールとして、
機関車が場に3枚並んだら、場の5枚をすべて捨て札にします。
■2.列車カードを出し、列車を引く
ボードの路線には、それぞれ色がついています。
列車を引くには、
路線の色に対応する列車カードを、路線マスに対応する枚数だけ出します。
(例えば、赤3マスの路線に赤の列車カード3枚を出すと、その路線に自分の列車を置けます)
灰色の路線は、何色のカードでも出せます。
路線に列車を引くと、その場で点数がもらえます。
1マスなら1点、2マス2点、3マス4点…と続き、最高は6マス15点です。
ところどころ、2本の路線が並走している
複線もあります。
3人以下のときは
片方しか使えません。誰かが一方に置くと、もう置けなくなります。
4人以上のときは、両方使えます。
路線を自分の列車でつなぐのは、得点をもらうためだけでなく
次に説明する
目的地チケットの達成にも必要になります。
■3.目的地チケットを3枚引いて選ぶ
目的地チケットは、最初から持っているものに加えて、途中でも引けます。
3枚引き、その中から最低1枚は選びます。
全部取っても、1〜2枚だけでもかまいません。いらないチケットは山札の底に戻します。
写真の回は途中から目的地を追加し、5枚引いてます。下の方に並んでるカードです。
このチケットですが、
書かれた都市を自分の列車でつなぐと、達成したことになります。
達成すると、書かれた点数が
プラスされます。
しかし達成できないと、書かれた点数分だけ
マイナスになります。
自分が接続したい都市と、他の人が接続したい都市がぶつかってしまった場合
その都市に列車を早く引かないと
他の人に全部接続されて
もうチケット達成できなくてマイナス確定
なーんてことも十分にありえます。
なので、狙った路線は早めに列車を置いておくのが超大事です。
あと、後半にチケットを引くと
3枚とも絶対達成できないことも普通にあって泣けますが、
そんなときは失点の低いカードを取るしかありません。そういうこともある。
なお、目的地チケットの得点計算は、ゲームの最後に行います。
途中でチケット達成しても黙っておいていいのです。
誰がどの目的地を達成したかわからないので、最後に勝敗がひっくり返ったりします。
■ゲームの終了
こうして列車を接続し、
誰かの列車が残り2台以下になると、終了の合図です。
そこから全員1手番だけ行い、最初に2台以下にした人が手番を終えたら
ゲームは終了し、得点計算になります。
終了図。このときは4人ゲームで、終盤まで大接戦でした。
そして最下位でした
得点は、ゲーム中に計算した列車の得点に
・目的地チケットの得点
・最長路線の得点
の2つをプラスします。
「目的地チケットの得点」は、順にチケットを公開し、接続したかどうかを確認して計算します。
達成ならプラス、未達ならマイナスです。
そしてもうひとつ「最長路線の得点」というのがあり、
一筆書きで最も長い路線をつないだプレイヤーには、追加で10点が入ります。
列車の得点、目的地チケットの得点、最長路線の得点、
この3つを足して、合計得点がもっとも高い人の勝利です。
感想
大好きなゲームです。
ファミリーゲームとしては最高だと思います。
ルールが単純なのが何と言っても良いです。
手番にやることは3択ですから、迷うことがない。初めてでもすっと入れる。
その割に、60分しっかり遊べて、路線を伸ばしていくのが楽しいから、だれない。
「ロサンゼルス−ニューヨーク」あたりの、20点超の長距離路線を引いたときが楽しくて
ちゃんと繋げられるか、もうハラハラします。
特に4〜5人だと、人とバッティングするスリルがある。
いつ誰が自分の狙い目路線に列車を出してくるか、という牽制のしあいです。
東海岸は都市が多いとか、北部のカナダ辺りは逆に長距離が多く早い者勝ちとか、
西海岸のシアトル〜ロサンゼルス近郊は競い合いになりやすいとか、
アメリカの地理的特徴もうまくゲームに反映されています。
そういう
雰囲気というかロマンも、遊んでる感を高めるのに一役買っていそうです。
ゲームやったことない人と遊ぶのに、一発目はこれをやってもらうことが
実は一番多いです。そして、ほぼ100%好評です。
「目的地をつなげる」という目標が分かりやすく、最初からゲームの世界に入れるんですね。
それをサポートするため、
最初に目的地カードを配って、プレイの方向性をつけている
ところが見事です。
2人でも、のんびり路線が引けるので意外と楽しめる。
4人以上だと、目的地がかぶることで競い合いが熱くなる。
何人でもいけます。
唯一の難点は、
地名表記が英語のままなこと(日本語版なのに!)。
英語か、少なくともアルファベットが読めないと、遊ぶのはかなり厳しいです。
内容自体は小学生でも分かるので、これだけがもったいない。
しかもそのせいで、母国語じゃないから
たまにチケットの行き先間違えて
ごすっとマイナス食らったりしますし。
(経験上、いつやっても、たいてい誰か一人は間違えてます)
とまあ、そんな弱点はありますが、それを差し引いても
最高に面白いゲームなので、堂々の10点です。
家族で遊ぶのには、本当に良いです。
繰り返しプレイしても、
目的地が変わるだけで思った以上に感触がちがうので意外と飽きません。
ちなみにこのゲームは
iOSアプリがありまして、iPad/iPhoneで遊べます。
ボード版は若干セッティングが面倒なのですが、アプリ版ならパッと遊べるので
こちらもおすすめします。価格もiPhone版は200円ほどで、安いし。
アプリ版。1戦15分程度で手軽に遊べます。
筆者はかれこれ
50回以上遊んでますが、大半はアプリ版で妻との2人対戦です。
実は拡張の「ヨーロッパ」を先に遊んだのですが、合わせて100回はプレイしてます。
年末年始、帰省で暇なときにこのゲームばっかりやってましてねえ…。
そういう思い出も込みで、オールタイムベストの一作です。
<2014/6/30>
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