No.4 ガイスター / Geister

オバケたちの対決。おもいっきり性格が出ますよ。

作者Alex Randolph
アレックス・ランドルフ
人数2人専用
プレイ回数・人数50回以上/2人(大勢)
時間10分
種別ボードゲーム
ポイント【2人向け】【初心者向け】
ゲーム難度(5段階)2
評価(10点満点)9

これも確か、ボードゲームを知って間もないころに友人とプレイしました。
最初は大阪旅行に行ったとき、居酒屋でだべりながらこれをルール説明してやってみて
確かそのまま6連戦ぐらいしたんじゃなかったっけ?

その後も、バーで飲み会やったときに持って行って6人ぐらいで代わる代わる遊んで
誰が正直だの性格悪いのと盛り上がったこともありました。
未だにその友人と会うと、2回に1回はこれを出して3戦ぐらいやります。
そのくらい気に入ってます。

一言でいえばいかに相手を騙すかというゲームであり、それがほぼすべてです。
気心知れた相手とプレイすれば、これほど楽しいゲームもないと私は思います。

ルール

ルール自体は、簡単です。

■準備

各自、オバケを8体ずつ持ちます。
良いオバケ(背中が青)が4体、悪いオバケ(背中が赤)が4体います。

それを写真のように、自陣の側中央4×2マスに並べます。どこに青、どこに赤を置くかは自由です。
自分には青/赤が見えますが、相手には見えません。

■目的

自分の青い(良い)オバケを1体、相手側の盤の隅2マス(ゴール)から
先に外に出したほうの勝ちです。
上の写真で、四隅に矢印の書いてあるマスがありますよね。あれを目指します。

■手番

交代に手番を行います。
手番では、自分のオバケを上下左右に1マス動かします。
2マス以上は動かせず、斜めにも動かせません。

このとき、
・自分のオバケがいるマスには、動かせません。
・相手のオバケがいるマスに動かすと、相手のオバケを取ることができます。

(取ったオバケは盤上から取り除き、もう使いません)
・良いオバケが盤の相手側の隅2マスに乗っていれば、外に出すことができ、勝ちになります。
(「隅のマスに動かすと同時に出す」のではなく、1手番で隅のマスに動かし、その次の手番で外に出してゴールです)

写真の場合、左側の自分の良いオバケ(青)は、右のマスには動かせません。
(すでに悪いオバケ(赤)がいる)
良いオバケを、上のマスには動かせます。(相手のオバケを1体取ることになります)
下のマスも空いているのでそちらにも動かせます。左は盤の端なので動かせません。
もちろん、悪いオバケを右や上下に動かすこともできます。


自分の良いオバケを相手側の隅まで動かし、1体でも脱出させたら勝ちです。
が、当然相手に出されると負けます。
そうならないように、相手の良いオバケが進んできたら、取ってしまいましょう。
相手の良いオバケを4体全部取れば、もう相手はゴールできないので、勝ちになります。

え、相手のオバケが良いオバケ(青)か悪いオバケ(赤)か、分からないじゃないかって?
その通りです。分かりません。
相手のオバケを取って初めて、背中を見ることができます。

じゃあ、良いオバケだろうが悪いオバケだろうが、かたっぱしから取ればいいって?
それがダメなのです。
なぜなら、相手の悪いオバケを4体全部取ってしまうと、負けになるのです。

逆に、自分の悪いオバケを4体全部相手に取らせると
良いオバケを外に出さなくても勝つことができてしまいます。

つまり、勝利条件は次の3つです。

■勝利条件

・自分の良いオバケを1体、盤の隅のマスから外に出す
・相手の良いオバケを4体とも取ってしまう
・自分の悪いオバケを4体とも相手が取る


このどれかを満たせば、勝ちです。

相手のオバケの動きをよく見つつ、良いオバケか悪いオバケかを推理しながら、
同時に自分のオバケの色を、相手に見破られないようにしながら、
自分のオバケを進めていったり、相手のオバケを取ったりする。
そういう駆け引きのゲームです。

遊んでみた

以前、バーに持って行って、普段ゲームしない人を何人か巻き込んでやってみたところ、
結構盛り上がりました。意外な人が強かったりします。

酒、酒、つまみ、ガイスター、つまみ、酒。写ってるのは私じゃないです。

感想

このゲームの何が楽しいって、
相手に悪いオバケ取らせた瞬間の顔を見るのが一番楽しいと思う。

ルールは、将棋やチェスをやったことがあれば、一瞬で分かると思います。
やったことのない人でも、駒の動きが単純なので、1回やればすぐに分かります。
ゲーム時間も10分かかりません。

ゲームの肝は、とにかく「相手の良いオバケ、悪いオバケを見破る」これに尽きます。
良いオバケのふりをして悪いオバケを隅に送り込み、取らせようと誘導してみたり、
良いオバケをうまく悪いオバケでガードして進めてみたり。
逆に、相手が大事に守ったオバケを取ってみたら、悪いオバケだったり。

短い時間の1手1手に心理戦が凝縮されており、熱くなります。

相手の裏をかく勝負強さが求められるので、正直な人は苦手なゲームかもしれません。
私のまわりでも、得意不得意はハッキリ分かれます。
(ちなみに、妻はこのゲームが苦手です。ハッタリを仕掛ける勘どころが難しいようです。そのせいで家ではほぼプレイされないのが残念)

そんな具合に若干人を選びはするのですが、しかしハマったときの面白さは格別です。
2人で延々やってると勝敗が固定しやすいので、飲み会やパーティにでも持って行って
「これ、性格の悪さが分かるゲームだよ〜」って言って大人数でやってみるほうが
面白いんじゃないかと思います。(実際そうやって遊んでみましたから)

何より、他人の勝負を外から眺めてると、意外と面白いんですよ。
「あー、この人こんな考え方するんだ」っていうのが分かって。
対戦相手どうしの相性もあったりするし。
そういう意味でも、いろんな人と何回かやってみると、より楽しめるんじゃないかな。


あと、慣れてくると、駒をガードしたり取らせたりする定石や、
相手に動きを強制する寄せ方なんかもあります。
このゲームの作者ランドルフは日本に7年ほど滞在し、将棋の有段者になったほどの人で、
そういう人がデザインしただけあって、結構ゲームとしての懐は深く
突き詰めても長く楽しめるように思います。

シンプルにして奥が深い、良いゲームです。



<2014/5/14>


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