No.2 バトルライン / Battle Line
戦うか、耐えるか。うちの2人用ベストゲームの1つです。
作者 | Reiner Knizia ライナー・クニツィア |
人数 | 2人専用 |
プレイ回数・人数 | 50回以上/2人 |
時間 | 20分 |
種別 | カードゲーム |
ポイント | 【2人OK】【初心者向け】 |
ゲーム難度(5段階) | 3 |
評価(10点満点) | 10 |
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水道橋のメビウスゲームズでカルカソンヌを買ったのは2012年の11月でしたが、
それが面白かったので、じゃあ次のゲーム買おう!と思い、12月に行ったのが
高円寺のゲームショップ「すごろくや」。
そこで2人用ということでこのゲームを購入し、以来妻と何十回対戦したか知れません。
昨年(2013年)2月に作者のクニツィア氏が来日したとき、サインしてくれた氏に
「バトルライン大好きです!妻と100回以上プレイしました!」
と思わず若干盛った発言をしたのも今では良い思い出です。
まあ昔の話は置いといて本題に入ります。
ルール
■準備
2人専用ゲームです。
向かい合って座り、真ん中に駒(フラッグ)9個を一列に並べます。これが戦線=バトルラインです。
兵士カード(1〜10の数字が6色、計60枚)をよく切って1人7枚配り、残りを山札にします。
戦術カード10枚もよく切って、兵士カードとは別の山札にします。
■目的
各フラッグの前に、それぞれカードを3枚ずつ並べていきます。
その3枚で互いに「役」を作って、相手より強い役を作ったらフラッグを奪い取れます。
先にフラッグを5本奪うか、連続した3本を奪う(一点突破する)と、勝ちです。
■手番
手番では、次の2つを行います。
・まず、手札からフラッグの前に兵士カードを1枚置く。または、戦術カードを出す。
・次に、兵士カードまたは戦術カードから1枚引く。
1枚出して1枚引く、これだけです。手札は常に7枚になります。
■兵士カード
兵士カードの出し方は簡単で、どのフラッグの前に何を置いてもかまいません。
1本のフラッグにつき、最大3枚まで並べられます。
どんな組合せで置いてもいいのですが、置くときに
役(陣形)を作るようにします。
役(陣形)の内容は、強い順にこうなっています。
ウェッジ | 3枚がすべて同色で、かつ連番(567など)になっている。 |
ファランクス | 3枚が同数(すべて8など)になっている。 |
バタリオン | 3枚がすべて同色になっている。 |
スカーミッシャー | 3枚が連番(567など)になっている。色は問わない。 |
ホスト | 上記以外の組合せ。 |
なんか難しい陣形名がついてますが、
ぶっちゃけ名前はどうでもいいです。私も覚えてません
「同色連番>同数>同色>連番>ブタ」と覚えてください。
同じ役なら、数字の大きい方が勝ちます。それも同じなら、先に作った方が勝ちます。
役で勝ったら、その瞬間にフラッグを奪取できます。
序盤の一例。
右の列は互いに同数(ファランクス)を作ろうとしてます。左の7-6は同色連番(ウェッジ)狙いです。
さて、こうやってカードを1枚ずつ置いていくと、途中で
相手が3枚置いてないけど勝ちが確定したという局面が出てきます。
例えば、自分が赤5-6-7と並べていて、相手が向かいに緑と黄の7を並べている、という場合、
自分は同色連番(ウェッジ)が確定しており、相手は7が2枚出ているので良くて同数(ファランクス)にしかならず、絶対に勝てません。
このように、
場のカードから自分の勝ちを「証明」できれば、3枚出ていなくてもフラッグを奪えます。
(手札は証明に使えません。あくまでも場のカードだけで証明します。また、後述の戦術カードも証明には使えません)
それだけ聞くと
「どうせ勝つなら、証明しなくても同じじゃない?」と思うのですが、重要な意味があります。
ゲーム中、役に立たないカードをどこかの列に捨てたい!というケースが出てきますが、
フラッグが奪取された列にはもうカードが置けません。
つまり、先んじて証明しておけば
その列に不要な兵士カードを捨てるのを防ぐことができ、相手の手を狭める効果があるのです。
■戦術カード
最後に戦術カードですが、フラッグの前に置いて役を無効化する「霧」や、相手の兵士を1人調略する「裏切り」など、10枚いずれも非常に強力です。
ただ、強力な分出し方に制限があり、
相手の使った枚数+1枚までしか使えません。
つまり、相手が1枚使っていれば自分は2枚まで使えるし、自分が1枚も使っていなければ相手は1枚しか使えません。
手札として持つ分に制限はありません。が、持ちすぎると出せずに手札を圧迫するため、引き過ぎると逆に辛くなります。
しかし、1枚でもモノによっては戦況を大きく左右するので、うまく使えば手札で負けても戦術で勝つことができるのが、大きな魅力です。
証明に使うことはできません。逆にいえば、証明される前に強い戦術カードを出せば劣勢をひっくり返せます。
そんな感じで、山札がなくなっても勝敗が決するまでカードを出し続けます。
必ず勝負がつくため、引き分けはありません。
遊んでみた
本当に何十回もプレイしてる分、どんな対戦をしたとか逆に全然覚えてないのですが
ゲーム中の写真を1枚載せときます。
買ってすぐ、友人とファミレスでやりました。左端でウェッジを決めて旗を取られ、早くも劣勢です。
確か負けた気がする。
感想
掛け値なしに面白い。私の中では、2人用ゲームの揺るぎないベストです。
役だけちょっと覚えにくいですが、慣れれば難しくありません。
トランプの大富豪ができれば、問題なく分かるレベルです。
(実際うちは夫婦とも初心者でこれを買いましたが、全然普通に遊べました)
基本はシンプルな数比べで、手札を見てうまいこと役を作るのがポイントです。
1とかの弱いカードも組み方次第で10のカードに勝てます。
10の同数3枚(ファランクス)を1-2-3の同色連番(ウェッジ)で打ち負かす時とか、
ピシっと決まると本当に気持ち良いですね。やられるとめっちゃ腹立つけど。
また、「出してから引く」というルールが非常に効いていて、
いらないカードでも出さなければならないターンが絶対やってくるので
どこに出して凌ぐか、どのフラッグを捨ててどこを取るか、
というジリジリした我慢を強いられます。これ作った人は絶対性格悪いと思う。
さらに、6と8を出して同色連番(ウェッジ)を狙ってたのに、肝心の7が相手の手元にあったときの
ガッカリ感といったらもう・・・。
さて、うちではこのゲーム、妻が特にお気に入りです。
「ゲームしよう」というとたいてい「じゃあバトルラインなら」となり、2戦ほどプレイします。
実力だけでなく、カードの引き運が勝敗を分ける=勝てるのが良いらしいです。
1勝負20分で終わるから、気楽に遊べますしね。そんなに重くもない。
勝ったら実力だと思えて、負けたら引き運だと思える。良いゲームの証です。
といっても、ゲーム全体で見たらほしいカードが来る確率は2分の1ですから
一番難しい同色連番(ウェッジ)を狙っても、実は結構な確率で決まります。
大胆に勝ちを狙っても意外と成功しやすい。
だから、ジリジリしたゲームなのに、爽快感がある。
女性受けが良いと聞きますが、そこらへんが理由なのかな、と思います。
戦術カードは抜いても面白いですが、手札がどうしようもないときに助けてくれるという意味で
札の巡りのシビアさを緩和できたり、逆に戦術カードを使いまくって場を荒らしたりと
戦略が多様になるので、最初から入れたほうが遊びやすいと思います。
2人用ゲームならまずコレです!家族でも、カップルや友人でもぜひどうぞ!
<2014/5/14>
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