No.18 かたろーぐ / Catalogue

われらーのーほし よこはーまー♪

作者Yoichiro Kawaguchi
川口洋一郎
人数2人以上(何人でも)
プレイ回数・人数5回/2〜10人
時間10分
種別カードゲーム
ポイント【初心者向け】【2人OK】【家族向け】
ゲーム難度(5段階)1
評価(10点満点)10

気づけばゲームマーケットがもう明後日なので、販売予定のゲームを一作、簡単にレビューしてお茶を濁す景気づけに紹介するよ!

ルール

超簡単!

出題者(1人)と解答者(ほか全員、何人でもOK)に分かれて、
まず出題者が、カタログを1冊用意します! たとえば、

今年のプロ野球選手名鑑!

そこに、大理石マーカーを7個のせる! (\横浜優勝/)

次に、出題者は7人の選手が「どの順番で好きか」を考えて、
左から1位〜7位の順に並べる!
そして、カードを並べたら、

4位をオープン! (期待の若手、関根大気!)

解答者は、残り6つを1位から順に当てていく!
当たったら、

ハートをゲットだぜ!! (5! 5! 225!)

感想

一度レビューしたのですが、こうしてルールを書くと改めて衝撃を受けます。
何が衝撃って、よく考えたらゲームっていうより世間話に近いことを力技でゲームにしてるこの感じですよ。

昨年秋のゲームマーケット後、ショートレビューでこのゲームをとりあげて、こういう感想を書きました。

コロンブスの卵、という形容がよく似合います。やってることは単純なクイズなのですが、およそカタログ的なものを持ち出せば何でもゲームにできるというちょっとしたアイデア、そのアイデアに用具をちゃんと用意したこと、そこに値打ちがあります。

[…]スポーツに限らず食べ物でもファッションでも、美術や音楽でも、何でもありです。ネタがほぼ無限で、単純なので応用もし放題。これをゲームにしようと考えた、その発想が素晴らしい。

「コロンブスの卵」と書きましたが、それはつまり「好きなもの当てというクイズを、大理石マーカーとカードを使うことでゲームにしてしまった」ということです。ゲームという体裁をとってるからゲームのように見える。逆にいえば、ここからカードとマーカーを抜いても同じことが実はできます。そしてぶっちゃけて言えば、一般的にはそれをゲームとは呼ばず、世間話と呼ぶと思います。

悪い意味で言ってるのではありません。普通の会話の中に、ゲーム的なものがある。それを切り取ってゲームにすると、楽しい。この気付きはセンスです。そこにカードと大理石とハートをセッティングし、体裁を整えてあげたら、普段の会話が少しグレードアップする。これは、紛れも無くデザインです。いわゆるシステムとは違う次元で、コミュニケーションをゲームと捉えたことが、発想の転換だと思います。

ベースが日常の会話にあるということは、これほど人を選ばないゲームもないということです。誰でもできますし、人によってまったく異なるゲームになります。
そして、やってみると、楽しいです。当然ですが、いわゆるドイツゲームの遊戯的な楽しさ、爆発的な面白さ、痺れる駆け引き、そういうものはありません。けれど、目の前の人がゲームを作っている、そういう感触がします。好きなものを語るプリミティブな楽しみがあります。
あなたが想像しているよりも、きっと面白いです。

コンポーネントについては前回のレビューで書いたとおりですが、今回のゲームマーケットでは第3版になり、マークなどが一部改善されているようです。基本は、変わらないはずです。
ぜひ、手にとってみてください。



<2015/05/03>


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