No.06 ナゲッツ / Nuggets

駆け引きあり、ジレンマあり。ルールも簡単、初めての陣取りに。

作者Christwart Conrad
クリストヴァルト・コンラート
人数2-4人
プレイ回数・人数3回/2、4人
時間20分
種別ボードゲーム
ポイント【2人OK】【初心者向け】
ゲーム難度(5段階)2
評価(10点満点)7

2月の寒い寒い雨の日に、立川のB2FGamesという店に初めて行ってみまして。
結構いろいろゲームのでかい箱が置いてあったのですが、
どれがいいものやら、と迷ってまして。

そこで店員さんに「何か2人でできて手軽に終わるおすすめのゲームないですか?」と聞いたら
「それだったらコレですよ!コレ一択ですね!」と強力にプッシュされたのがこの作品。
う、うん、まあ、そんなにオススメなら買うぜ?(弱気)

で、実際どんなもんかということで、後日妻と対戦しました。

ルール

■準備と目的

各プレイヤーに、1〜5の数字チップを配ります。(プレイ人数によって枚数は変わります)
柵をゲーム盤の隣に置いておきます。
で、ゲーム盤の上に、金のナゲットを置きます。それぞれ点数が書いてます。

このナゲットの点数を多く獲得した人の勝ちです。

ちなみに「ナゲット」は英語で「金塊」という意味ですが、日本語版の説明書では
「金の卵を生む鶏肉を100%使用した黄金のナゲット!」とあります。
ただ、いかんせんナゲットが円柱形なのであまりチキンナゲット感はありません。金塊っぽくもなくむしろ樽に近いので、いい感じに設定して楽しみましょう。
俺は普通のチキンナゲットが食べたい。そういう話じゃないか。

4人ゲームは、向かい合った2人でチーム戦になります。

■手番

手番では、
・ボードのマスの境界に、柵を2本置く
・ボードのマスに、手持ちのチップを1枚、裏向きに置く

のいずれかを行います。
柵もチップも、どこにでも置けます。柵の1本目と2本目をつなげる必要もありません。

で、柵を置いていくと、柵で囲われたエリアができてきます。

最終的に、ナゲットを含むエリアに置かれたチップの数の合計が一番大きい人がそのナゲットを取れるので、
どこにチップを置き、どこを柵で分断するか
という駆け引きが重要です。
点が大きいナゲットのエリアに自分のチップを置きたい、でもすぐにチップを置いたら相手に柵で分断されてしまう、というジレンマが生まれます。

それと、柵を置くとき1つだけ重要なルールがあり、エリアは最低4マス以上でなくてはなりません。
(ナゲットも1マスと数えます)
つまり3マス以下で区切ったエリアや、ナゲットと自分のチップ1枚だけといったエリアは作れません。
このルールがあるため、必然的に相手とナゲットの取りあいが活発になります。

遊んでみた

そんな感じで対戦してみました。結構考えます。
置くところがなくなってお互いがパスしたら、終局です。その盤面がこちら。


チップは裏返しで置くので、最後にめくるまで勝敗は分かりません。で、ひっくり返すと


こんな感じに。
たとえば左下の6点ナゲットのエリアは、赤の合計3に対し青が4で、青がナゲットを取ります。
その右の6点ナゲットだと、赤の合計3に対し青は合計2で、赤がナゲットを取ります。
中央下の5点ナゲットは2対2で引き分けなので、5点を等分します。

このゲームは青34点、赤14点で青の勝ちです。
(ボコボコに勝ってしまったことは若干反省している)

感想

うん、まあ2人だと面白いんだけど結構ガチガチのゲームです。
筆者はちょっとだけ囲碁を打つのですが、同じ陣取りだけあって打った感覚は囲碁と似てます。
ただナゲッツのほうが、チップを裏向きで置くため運が絡む、そのぶんだけ軽くはあります。

とはいえ、考えどころはしっかりあります。
柵を置くと、相手にチップをいいところに置かれる。
でもチップを置くと、相手に柵で分断される。
この二択がいい感じに悩ませてくれます。

どこに何点のチップを置くかも考えどころで、高得点のナゲットの横に高いチップを置きたくなりますが
「いや、8点ナゲットはあえて外して1点チップを置いて、相手にチップを使わせよう。で6点ナゲットを5のチップで取りに行こう」なんて駆け引きもできます。

版元のニューゲームズオーダーは「ボードゲームの『さいしょのいっこ』」として
このゲームを推薦しており、実際

・20分程度で終わり
・ルールはゲーム慣れしてなくてもすぐ理解でき
・2人から4人まで遊べて
・何回かプレイすると打ち回しも上手くなっていく
・そして安い(重要!私は2500円で購入しました)


と、コストパフォーマンスは高いゲームです。
初心者にオススメという看板に偽りはないと思います。

若干思考性の強いのが長所でも欠点でもあり、20分でも遊んだ感はしっかりあります。その分疲れます。
なので長考しだすとキリがないですが、どうせチップは隠れてるので
それほど考えずサクサク打っても遊べます。
好き嫌いはあると思いますが、個人的には「10点満点でこそないが、十分楽しめる」という感じです。

後日4人戦もプレイしましたが、4人の方が面白かったです。
最初は黙々と打ってたので苦しかったのですが、途中から作戦をどんどん喋って相談すると盛り上がりました。
考えるのは変わりませんが、2人よりもプレイ感が緩くなるので、3〜4人戦がおすすめかな。

4人戦の写真。4色使い、ペアで取ったナゲットの合計を競います。

説明書のイラストが可愛く、登場キャラクターの裏設定が書いてあるのもポイント。ただ設定はやっぱりゲームに全然関係ありませんが、ご愛嬌です。



<2014/5/25>


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